カーク（右）とマキロイは同組でともに「64」をマークして首位追撃の狼煙を上げた（Jim Rogash/Getty Images）

クリス・カークは4週間後、サンフォード・スタジアムで母校ジョージア大学とその最大のライバル、テネシー大学との試合を見る予定だ。スコットランドの地で、「ライダースカップ」米国選抜チームのユニフォームを着るわけではない。

だが米国選抜チームに自動選出される9人が決まり、その順位で14位だった彼は、主将トム・ワトソンが指名する3人の中に入る可能性も出ている。

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TPCボストンでの「ドイツバンク選手権」3日目、カークは前週までフェデックスカップのポイントランキングで1位を走り、そして現在の世界ランキングで1位のロリー・マキロイと同組でプレーした。この日はカークもマキロイもノーボギーの「64」をマークし、両者ともに通算10アンダーの3位タイに浮上。首位のラッセル・ヘンリーを2打差で追いかける形で、最終日に臨む。

一方、ワトソンが「ライダーカップ」米国選抜チームに選ぶのは、キーガン・ブラッドリーやウェブ・シンプソン、ブラント・スネデカー、または先週の「ザ・バークレイズ」を制したハンター・メイハンといった顔ぶれではないか？ というのが、大方の予想だ。しかしカークが優勝すれば、その構図は変わるかもしれない。

PGAツアーでは2勝を挙げているカーク。母国を代表して戦いたい気持ちもあるだろうが、かといって9月2日（火）の選抜メンバー発表をひどく気にしているわけではない。

今年初めにワトソンと一緒に練習ラウンドを回ったというカークは、「僕がどうこうできることじゃないからね」と言う。「いいプレーを心掛けているし、この大会でもできる限りやっている。でも（米国選抜入りを）気にしてもしょうがない。何らかの理由で自分が仲間入りできたなら、これはもう純粋に“ボーナス”だろうね」。

「だけど“ライダーカップ”が行なわれる週、僕には（母校がある米ジョージア州）アセンズでのビッグプランがあるんだ」。

今大会3日目に記録したスコア「64」は、コロニアルCCでの「クラウンプラザインビテーショナル」2日目で出した今季のロースコアに並ぶ数字で、今季では3度目だ。この日はまた、14ホール中10ホールでフェアウェイをキープし、18ホール中12ホールでパーオン、24パットという結果に。さらに17番ではチップインバーディを決めた。

「（17番でのバーディは）面白かったね」と、カークは振り返る。「ボール位置は僕の両足よりかなり上のツマ先上がりで、ウェッジのフェースもあんな風に立てて使うしかなかったので、約3メートル右を狙ったんだ。決してすごくいいライというわけではなかった。たぶんちょっとパンチの入った1打になってしまったが、ありがたいことにピンのど真ん中に当たって、そのまま入ったというわけさ」。

ごく自然な成り行きなのか、同組で回ったカークとマキロイはお互いに良い影響をもたらした。カークがスタートの2ホールでバーディを獲ると、今度はマキロイが2番、3番と続けてバーディを奪って滑り出したのだ。

「25フィート（約7メートル半）からのロングパットを決めたとか、そういうのじゃない。だけど何度もタップインバーディを決めた。これは良かったね」と、カーク。「僕らの前でプレーする人がいなかったら、3時間くらいでプレーできたんじゃないかな。なぜかって、すべてのショットはとても正確だったから」。