「プエルトリコオープン」アラカルト
By Jeff Shain, PGATOUR.COM
3月6日から9日まで行なわれる「プエルトリコオープン」のコース詳細やこれまでの歴史、昨年の模様などをまとめて紹介する。
コース:
プエルトリコにあるトランプインターナショナルGC(チャンピオンシップコース)は、7,506ヤードのパー72。エル・ユンケ熱帯雨林に抱かれたこのコースは、当初トム・カイトが設計した4つの9ホールというレイアウトで開業。その後アメリカの不動産王ドナルド・トランプが手に入れ、2007年の改修で18ホールが2つというレイアウトとなった。翌2008年には、風光明媚な人工池と大海原へと流れる風を持つ新しいチャンピオンシップコースとして、PGAツアーの大会の仲間入りを果たしている。
フェデックスカップ:
優勝者は300ポイントを獲得する。
チャリティ:
大会収益の一部は、プエルトリコの人々の生活改善を目的とした140以上の異なる慈善事業と提携するフォンドス・ウニドス・デ・プエルトリコ社に寄付される。PGAツアーが開催されてからこの6年間で、320万ドル(約3億2,600万円)を超える金額が寄付されてきた。
出場選手:
昨年の大会覇者スコット・ブラウンや2位タイだったファビアン・ゴメスら、世界ランキング50位以内から漏れ、同じ週にドラルで行われる「WGCキャデラック選手権」の出場権を持たない選手で争われる。初出場組の中で一番世界ランクが高いのは、米フロリダ州出身で欧州ツアーでプレーするブルックス・ケプカの69位だ。その他、3週間前に行なわれたウェブドットコムツアーの初戦「コロンビア選手権」で優勝したアレックス・チェイカもウェブドットコムツアーの第2戦を前に出場してくる。ジョン・デーリー、デビッド・デュバル、トレバー・イメルマン、リー・ジャンセン、デビッド・トムズ、Y.E.ヤンのメジャー大会王者6人も出場する。
72ホールの記録:
268ストローク(スコット・ブラウン、2013年)。
18ホールの記録:
63ストローク(デレク・ラムリー 2010年大会第3R、ジェームス・ドリスコル 2011年大会第1R、クリス・ティドランド 2011年大会第2R、スコット・ブラウン 2013年大会第2R)
2013年:
昨年の大会では、最終ホールでバーディとボギーの明暗分かれる逆転劇となり、ブラウンがゴメスに逆転優勝。自身初となるPGAツアー優勝を飾った。2009年のマスターズ勝者アンヘル・カブレラ以来のアルゼンチン出身チャンピオンを目指していたゴメスは、最終18番ホール(パー5)のティで2位以下に1打差をつけていたものの、2打と3打目でそれぞれバンカーに入れる羽目に。一方のブラウンは3番アイアンで木の下からのリカバリーに見事成功し、約1.2メートルのバーディパットにつなげた。テキサス大学中退から3ヶ月後にスポンサー推薦で出場したジョーダン・スピースは、土日の決勝ラウンドをそれぞれ「67」で回り、ゴメスと共に2位タイで終えた。
筋書き:
大きな大会の「WGCキャデラック選手権」と同一週開催のためか、「プエルトリコオープン」はPGAツアー初勝利をつかむのにうってつけの大会だ。実際のところ、歴代覇者6人のうち3人が本大会でPGA初勝利を挙げた(2008年大会のグレッグ・クラフト、2010年大会のD.ラムリー、2013年大会のS.ブラウン)。また、2012年大会2位の石川遼や昨年大会2位のJ.スピースといった、スポンサー枠で出場した若手の活躍も見られる。いずれのケースも、残りのシーズンでツアーの特別臨時メンバーとなるには十分だった。また、地元プエルトリコからは昨年のPGAツアー ラテンアメリカ賞金ランキングで23位だったラファエル・カンポスをはじめ、マックス・アルヴェリオ、ミゲル・スアレス、そしてアマチュア選手のエリック・モラレスの4選手が出場する。