パワーランキング:CIMBクラシック
By Rob Bolton, PGATOUR.COM fantasy columnist
フェデックスカップの歴史の中で、はじめてポイント加算の対象となるアジア開催のトーナメント。今週の「CIMBクラシック」は、マレーシアのクアラルンプールで開催される。
極東マーケットへの拡大を狙い、2010年から非公式大会として組み込まれてきたこの大会は、まだツアーでの知名度が高くはないが、今シーズンから「フェデックスカップ」のポイントが付与される公式な大会となった。アジアンツアーからは少なくとも10選手が招待を受け、今のところ12選手の出場が確定している。この大会の優勝者は、ほかの出場資格を持っていなくても「ヒュンダイトーナメント選手権」「プレーヤーズ選手権」「全米プロゴルフ選手権」への出場権を手にする。
78名の選手が参加する今大会は、予選カットラインなしで運営される。クアラルンプールGC西コースがその舞台。1991年、ネルソン&ハワースによって設計されたこのコースは、2006年に「マレーシアオープン」を開催した。その後一度休止し、建築家のゲオフ・パースローとテッド・パースローによって改造され、2008年にリニューアルオープンした。2010年からは毎年「マレーシアオープン」の舞台となっている(東コースではLPGA大会が開かれる)。
パー36-36=72のこのコースの全長は6,967ヤード。634ヤードの最終ホールが印象的だ。グリーンの大きさは平均6,500平方フィート、硬さはスティンプメーターで11を示すようセッティングされる。熱帯気候での降水の可能性を配慮して、公正を期しているのだ。天気予報では、1週間を通して雨や嵐に襲われる可能性があり、気温は摂氏25度程度まで上昇しそうだ。かすかに吹く風が、高い湿度を和らげることはなさそうだ。
グリーンの芝は、海水耐性のあるシーショアパスパラムを使用している。アメリカの選手たちは「OHLクラシック」や「プエルトリコオープン」で同様のグリーンでプレーしている。2012年の「全米プロゴルフ選手権」が行われたカイワーアイランドも、似たような芝を使用している。
パワーランキング
1、フィル・ミケルソン
このベテランレフティーが長年プレーしたいと望むなら、今週はオフにする選択肢もあった。しかし彼はいつもアジアへの遠征に積極的に参加している。海外での大会は2度の優勝経験がある(いずれもスコットランド)。世界ゴルフランキングでは現在3位につけている。
2、松山英樹
「シュライナーズホスピタル・チルドレンオープン」は大会直前に腹痛により欠場した。ここで休みをとったことは決して悪いことではないだろう。プロとして各国で17大会に出場し、トップ10フィニッシュが11度もある。
3、キーガン・ブラッドリー
「プレジデンツカップ」では2勝2敗1分けの成績。2013年シーズンは優勝なしのシーズンとなったが、キャリアハイとなる10位以内を7度、25位以内を15度も記録した。2013年、予選カットのない大会での最低成績は「BMW選手権」の16位タイ。
4、ビル・ハース
「プレジデンツカップ」での2勝2敗1分けの成績は、1週間を通して好調だったショットを正確に反映したものとはいえない。年間を通じて9度のトップ10入りは、米国ツアーでもトップ(かつキャリアハイ)に並ぶ好成績。調整後の平均スコアは18位だった。
5、セルヒオ・ガルシア
2大会連続で9位タイに終わった「ツアー選手権byコカ・コーラ」以来の大会出場となる。世界中の大会に参戦している彼は、直近の29試合でトップ25入りを23度記録している。2013年ツアー全体でパットのスコア貢献率は8位だった。
6、デビット・リン
初優勝まで9年かかった遅咲き選手は、今や欧州ツアーで何度も優勝する選手となった。イングランド出身のリンは、10月13日の「ポルトガルオープン」最終日で「63」をマークし1打差で優勝した直後から、休暇をとっていた。パターの名手は、予選落ちがない大会では脅威となるだろう。
7、ロバート・カストロ
多くの人種が集まるジョージア工科大出身の彼は、在学中に異文化交流を楽しんだ。「フェデックスカップ」プレーオフ全試合で25位以内入りを果たした5選手のひとり。2013年の調整後平均スコアは45位だった。
8、ライアン・ムーア
昨年はラスベガスで開催された「シュライナーズホスピタル・チルドレンオープン」で優勝を果たすと自宅にトンボ帰りし、生まれたばかりの息子との時間を過ごした。前週は連覇ならず9位タイに終わったが、今大会はそれ以上の成績を狙っている。13年シーズン最後の大会は「BMW選手権」の11位タイ。
9、チャーリー・ホフマン
前週の「シュライナーズホスピタル・チルドレンオープン」では最終日をボギーなしの7アンダー「64」で回り4位タイ。最終日は全18ホールでパーオンに成功した。2013年シーズンはキャリア最高タイとなる5度の10位以内を記録した。
10、キラデク・アフィバーンラト
タイの24歳は今年の「マレーシアオープン」(悪天候の影響で54ホールで争われた)で優勝し、欧州ツアーのシード権を獲得した。しかし2週間前に韓国で4位タイとなったように、彼はアジア圏での大会で好成績を収めることが多く、エンジョイしている。
11、ニック・ワトニー
前回大会の王者が新しいコースに登場する。最近の彼はとても調子が良く、見逃せない存在だ。「シュライナーズホスピタル・チルドレンオープン」での48位タイの成績は「フェデックスカップ」プレーオフで3度のトップ15入りを果たした実績からして、気にする必要はなさそうだ。
12、ジミー・ウォーカー
「フライズドットコムオープン」で優勝を果たしたものの、ラスベガスで勝利の美酒に酔うことはなかった。「シュライナーズホスピタル・チルドレンオープン」では序盤につまずきながらもリカバーし12位タイに。事実、直近の3大会ではこの12位タイが最低の成績である。
13、ジェフ・オバートン
このコースで最後にラウンドしたアメリカ人選手(ロバート・ガリガスが大会出場を見送ったため)だ。2013-14年シーズンは16位タイ、9位タイと好調なスタートを切り、すでに昨季のトップ25入り回数に並んだ。スクランブル率は12位。
14、スコット・ヘンド
オーストラリアの飛ばし屋は、かつては米国ツアーのメンバーだった。アジアツアーランキング2位の実績が示す通り、今シーズンは3勝を挙げた。この3週間だけで、3打差で優勝した先週の「ベネチアン・マカオオープン」を含め2勝している。
15、アーニー・エルス
昨シーズン終盤は「フェデックスカップ」プレーオフに向け、各国の大会を8週連続で出場するも、20位タイを2度記録した以上の成績は収めることがなかった。「BMW選手権」で51位タイとなり、彼のプレーオフはそこで終了してしまったが、それ以降「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」で17位タイ、「ベネチアン・マカオオープン」では3位タイの成績を収めた。