2013年 BMW選手権

フューリックを逆転し、BMW選手権を制したザック・ジョンソン

2013/09/17 20:33

決着が付く前から、既に結末はわかっていた。フューリックの名誉のために言っておくと、彼はトーナメントの締めくくりに苦しんだに過ぎない。あるいは単純に、より優れたプレーが上回った。

フューリックは、54ホール時点で首位に立った直近5つの米国ツアーの大会で、いずれも優勝を逃していた。そして月曜日、フューリックのその記録は「6」に伸びた。最後の8ホールで3つのボギーを叩きイーブンパーの「71」で最終ラウンドを終えたフューリックは、ザック・ジョンソンに3打差の単独3位に終わった。

もっとも、フューリックは自ら勝利を手放したわけではなかった。

ジョンソンは、最後の3ホールでの2バーディを含む6バーディ、ノーボギーの「65」で見事なラウンドを見せたのだ。

ジョンソンは、これがキャリア通算10勝目で今季初優勝。この優勝によりフェデックスカップランキング4位に浮上したジョンソンは、来週の「ザ・ツアー選手権 presented by コカコーラ」で勝利すればフェデックスカップを制することになる。ジョンソンが過去に手にした勝利の約3分の1は、来週決戦の舞台となるジョージア州でのものだ。

「記憶にある限り、最高の最終ラウンドのひとつだね」とジョンソン。「特に、シーズン終盤のこの時期での勝利は別格だね」。

ジョンソンの今シーズンは、シーズン終盤のパフォーマンスにかかっていた。

ジョンソンは弟・ゲイブの結婚式でベストマンとして披露宴の大役を果たす為、プレーオフ第1戦のザ・バークレイズを欠場した。弟の結婚式を欠席するわけにはいかないだろう。

翌週のボストン郊外で行われたドイツバンク選手権。ジョンソンは、プレジテンツカップ出場選手の最後の一枠を掴むため、最終ホールで25フィートからのバーディパットに挑んだ。そして、見事にそれを決めてみせた。

そしてジョンソンは、かつて1997年のNCAAチャンピオンシップでもプレーした、トム・ファジオ氏設計のコンウェイ・ファームに戻って来た。弟の結婚式前日には、このコースで練習ラウンドも行った。米国ツアーでは今回初めて使用されるコースだったため、コースに慣れておきたいと考えたのだ。

フェデックスカップランキング27位のジョンソンは、「ザ・ツアー選手権 presented by コカコーラ」に進めるかどうかの当落線上にいた。最終戦に進めるのは、上位30人だ。

「ここ2週間のゴルフは難しかったよ。プレジテンツカップのチーム入りを目指していたけど、そのことは意識しないようにしていた」とジョンソン。「今週は、トップ30に入ることが目的だったけど、やはりそのことを考え過ぎないようにした」。

多くの選手たちが、風の強いこの街の快晴ながら強風の一日に苦しんだこの日、ジョンソンは3打差を鮮やかに逆転してみせた。

「この勝利はしっかり記憶に残し、噛み締めるものになるだろう。でも、もっと大切なのは、この3週間で学んだことを次に活かすことだね」とジョンソン。「何かを成し遂げたいとき、あまり気を張り過ぎないことが大事さ。それは簡単ではない。もし誇るべきことがあるとしたら、この2つの大会でいずれも仕事を果たすことができたという事実さ」。

もっとも、フレッド・カプルスによるキャプテン推薦から漏れ、そしてこの2シーズンで6度優勝のチャンスを逃しているフューリックには、同じことが当てはまるわけではない。

僅か3日前にツアー史上6人目となる「59」を達成し、1打差の首位で最終ラウンドを迎えたフューリックは、バックナインで力尽きた。パー3の11番で3パットを要しボギーを叩くと、パー4の13番では5フィートのパーパットを外しここでもボギーとした。

しかし実際は、このコースで最も簡単なホールの3つである7番、8番、そして9番で立て続けにバーディチャンスを決められなかった時点で、既に状況は厳しかった。

「ウェッジを手にしながら、バーディを決められなかった」とフューリック。「フロントナインを1アンダーでしか回れなかったことは、かなり自分にがっかりしたね」。

「相手がザックでなければ、まだ優勝のチャンスは充分にあっただろう。ボールは充分思い通りに打てていたが、必要な時にパットを決められなかった」。

フューリックができなかったことをやってのけたのが、ルーク・ドナルドだ。

このコンウェイ・ファームズが地元のドナルドは、イーストレイクへの切符を手にするには今大会6位以上に入ることが必要だった。この日は最後の11ホールで6つのバーディと猛チャージをかけて「66」でラウンドし、見事4位タイに食い込んだ。

マット・ジョーンズは、ドナルドほど幸運に恵まれなかった。ジョーンズは最終ホールで、10フィートのバーディショットを惜しくも外し、フェデックスカップランキングのトップ30から陥落。来週の「ザ・ツアー選手権 presented by コカコーラ」に加えて、現時点では来年のマスターズ、全米オープン、そして全英オープンの出場権も失った。

ところで、この日を首位から僅か4打差の5位からスタートしたタイガー・ウッズは、ジョーンズの運命に影響を及ぼしたわけではなかった。ウッズは最終ラウンドをイープンパーで回り、11位タイでフィニッシュ。33位タイに終わったヘンリック・ステンソンと入れ替わりでランキング1位に返り咲くには充分な成績だった。

アダム・スコット、そしてマット・クーチャーもトップ5でフィニッシュした。

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