2012年 WGCブリヂストンインビテーショナル

WGCブリヂストンインビテーショナルの魅力

2012/07/27 12:29

■WGC(世界ゴルフ選手権シリーズ)とは

メジャー四大大会に次ぐ世界選手権シリーズ(WGC)のひとつ、ブリヂストンインビテーショナル。世界のトップ選手によるビッグタイトルをかけた戦いだ。

米国、欧州、南アフリカ、アジア、豪州、日本の世界6大ツアーを中心にして構成されるInternational Federation of PGA Toursが創設した世界ゴルフ選手権シリーズ。WGCとして知られるトーナメントは、現在では「マスターズ」をはじめとした海外4大メジャーに次ぐ、ビッグイベントとしてゴルフ界にその名を轟かせている。

各大会への出場権は、世界ランク上位者のほか、各ツアーにおける賞金ランキング上位者、特定試合での優勝者等に限定されており、その権威やタイトルの重みは世界最高峰。優勝賞金も各試合100万ドルを超え、米国、欧州では両ツアーの賞金ランク加算対象試合となる。前身のワールド・オブ・ゴルフの初開催は1984年。現在のWGCとなったのは99年。約30年の時を経て、一流選手だけが足を踏み入れる舞台となったのだ。

WGCがその年の初戦を迎えるのはシーズン開始直後の2月。世界ランク上位64人がトーナメント形式のマッチプレーを戦う2月の「アクセンチュアマッチプレー選手権」から始まり、11月に中国で行われる「HSBC選手権」で幕を閉じる。その間、3月にフロリダ州マイアミで「キャデラック選手権」が、そして8月に「ブリヂストンインビテーショナル」が開催されている。

■ブリヂストンインビテーショナルとファイヤーストーンCC

オハイオ州アクロンにあるファイヤーストーンCC。開場からは既に80年が経過した。

「全英オープン」の興奮も冷めやらぬまま、その2週間後に決戦の火蓋が切られる「ブリヂストンインビテーショナル」。戦いの舞台は米オハイオ州の主要都市クリーブランドから南方、サミット郡アクロンにあるファイヤーストーンカントリークラブだ。第1回大会から2005年大会までは「NECインビテーショナル」として開催されていたが、06年より主催スポンサーがブリヂストンに変更され、現在に至っている。

とはいえ、同コースとブリヂストンはこの06年以前から深い係わり合いを持ってきた。アクロンは米国最大のタイヤ産業の拠点。ファイアストンのほか、多くのメーカーが工場、研究機関を置き、自動車産業を支えている。そしてブリヂストンは88年にファイアストン社を買収し子会社に。当地は同社の生産拠点のひとつとしても馴染み深い土地でもある。

コースが開場したのはさらに半世紀以上、1929年まで遡る。その後プロのトーナメントが開催されるようになったが54年。そして60年にはこのクラブの名前が一層、世の中に知らしめられた。アーノルド・パーマーがトリプルボギーを叩いた16番ホールを「モンスター」と形容した「全米プロゴルフ選手権」のことだった。現在、PGAツアーのトーナメントで最も長い667ヤード(メジャーでは2012年全米オープン・オリンピッククラブの16番パー5が670ヤードに)のパー5は、当時ですら625ヤードの距離を誇ったのだ。

打ち下ろしとはいえ、700ヤードにも迫る超ロングホール。ダウンスロープとなっているが、左傾斜のため、ティショットのキックの仕方によっては第2打の残りが400ヤード近く残る場合もある。セカンド地点のフェアウェイ、ヤーデージを知らせるべきスプリンクラーの表示は「JUST HIT IT(ただ打て)」と記されている箇所があるほど。また、奥行きの無いグリーンの右手前には池が広がっており、正確なマネジメントと高い精度のショットが要求される。決勝ラウンドでのピン位置は手前がほとんどだ。18ホールを通じて全体的にオーソドックスなストレートロケーションが続く中、米国屈指のシグニチャーホールとして名高いのも当然といえる。さらにいえば、関係者曰くティグラウンドの後方にはまだスペースが残されており、「まだ伸ばすことができる」とのこと。怪物はいまだ成長を続けている。

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