耐えるだけじゃダメなんだ 久常涼は2年連続で日本勢トップも実力差痛感
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(18日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)
シーズンのメジャー第2戦「全米プロ」を、2年続けて日本勢のトップで終えた。ことしは4人のうち唯一決勝ラウンドでプレー。2つの事実は久常涼にとってさほど重要ではない。「今週は良いプレーをしただけに、あの1ホールでぜんぶ台無しにしたようなもの」。上位進出を自ら阻んだ痛恨の一打がとにかく悔しい。
2アンダー23位で迎えた最終日も序盤からガマン強さが試されたメジャーセッティング。日に日に硬くなったグリーンで出だし2ホールで1パットパーを拾うと、3番のボギーの後、4番(パー3)で5mを沈めてバウンスバックした。
問題だったのがスコアを伸ばすべき前半唯一のパー5。7番で残り85ydの第3打が突風でピン手前に着弾し、スピンと下り傾斜で手前の池に入った。「超、簡単なウェッジショット。思ったよりもスピンが入った。さすがに池には入らないと思ったんですけど…」。1罰打を加えて5オン、さらに1m強のパットを外してダブルボギーにした。
初日9位の好発進から2日目「71」、3日目「72」、そしてこの日は「74」と後退を続けた。地面が乾いた週末は「全くチャンスにつけられなかった」と通算1オーバー37位。今週はスクランブリング率(リカバリー率/パーオン失敗ホールをパー以下で上がる確率)が77.14%で全体3位と、ショートゲームに好結果が出た一方で、リーダーボードの上位のスコアを見て思う。
「もったいないと思うようなところが全くなかったとしても、僕は優勝スコアに届いていない」。4日間のバーディ数は11で、ボギーをいっさいたたかなかったとしても、通算11アンダーで優勝したスコッティ・シェフラーに並ぶだけ。「まずは(良い)ショットが打てないと話にならない。全部が試される、超総合力が試されるコースだった」と課題を思い知らされた。
キャリアで4回目のメジャーを終え「もっとこの舞台に場慣れしないといけない」と日常的に、より強いフィールドでプレーしたいと願う。2季連続のシード確保はもちろん、PGAツアー2年目での初優勝を強く意識する。
次週の「チャールズシュワブ・チャレンジ」(テキサス州コロニアルCC)で6連戦目。6月2日(月)には「全米オープン」(ペンシルベニア州オークモントCC)への出場権をかけた36ホールの予選会に出る予定でいる。「きょうは疲れるようなゴルフはしていない。体は元気なので、来週も頑張って連戦をしていきたい」と貪欲にシーズンを戦い抜く。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)