4週ぶりツアー出場 松山英樹が練習ラウンドでやることは
◇米国男子◇トゥルーイスト選手権 事前情報(6日)◇ザ・フィラデルフィア・クリケットクラブ (ペンシルベニア州)◇7119yd(パー70)
ここ数年、4月の「マスターズ」を終えて一時帰国し、メジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」の前に再渡米するのが松山英樹のスケジュールとして定着している。ことしは3週間をオフに充て、シーズン序盤戦で溜まった疲れを癒すべく休養。プライベートでもラウンドはほとんどしなかった。
復帰戦となるのは昨年まで「ウェルズファーゴ選手権」の名称で開催されていたシグニチャーイベント(昇格大会)。タイトルスポンサーが代わり、ことしは昨年までの会場クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)で次週全米プロが行われるため、フィラデルフィアの北部にあるコースを舞台に争われる。
松山は6日(火)にアウト9ホールからコースチェックを開始した。グリーンと隣のティイングエリアが近いコンパクトなつくり。入り口が狭いグリーン周りにはラフがしっかり生い茂る。スコアの出方は「始まってみないと分からない」と予想しづらいが、「フェアウェイはそこまで狭くない。(両サイドの)ラフも長いわけではないので、ショットでうまくチャンスにつけられれば」とロースコア合戦も覚悟した。
久々のラウンドで、松山はロングショットよりも花道からのチッピングを繰り返し練習していた。「去年の夏ぐらいからずっとアプローチが悪いんで。その(復調のための)きっかけ探しみたいな感じですよ」と意図を説明する。ロフト角56度、60度の2本を駆使し、ターゲットの多くをショートサイドに絞ってボールに鋭いスピンをかけ続ける。「練習場とは違って、コースでないと、それぞれの(試合で訪れる)シチュエーションで打てない。基本的な動作の確認をずっとしています」と、ブランクを経た感覚を引き戻す意味もある。
1月の開幕戦「ザ・セントリー」を制して滑り出したレギュラーシーズンは中盤に入る。春先までの自身の戦いぶりについて、松山は「セントリー以外でトップ10に入ってないですし、まあダメですね」と厳しく評価した。
今季2勝目、そしてメジャー2勝目など目指すものはまだ多い。拠り所のひとつが、オーガスタで得た手応えだ。「マスターズは3日目はおかしかったですけど、ショットがだいぶ良くなりつつあると実感できたのが大きい。その時のフィーリングを思い出しながらできればと思います」。昨年大会は、背中の張りを理由に初日スタート前に急きょ欠場。ことしは少なくとも、健康に復帰戦を迎えられそうなのも安心材料と言える。(ペンシルベニア州フロータウン/桂川洋一)