コロナ禍を経て、徐々に日常を取り戻した2022年。国内外とも主要ツアーは一部を除き、スケジュール通りに開催された。緑の芝を闊歩（かっぽ）し、暑さ寒さ、風に雨と自然とも闘ってきたフォトグラファーたちが切り取ってきた光と影。その一瞬にスポットライトを当てる。GDOとともに旅を続けたプロフェッショナルが選んだ今年の3枚。第2回は今井暖カメラマン編。

＜マスターズ 事前 ギャラリー＞

一生のおもひで

■一生のおもひで
ゴルフを愛する多くの人が憧れる約束の地、オーガスタナショナルゴルフクラブ。この1週間を目指して世界中から、ある人はゴルフクラブを片手に、ある人は最新のカメラを両肩に、またある人は貯めに貯めたお小遣いをポケットいっぱいに詰めてやってくる。そんな場所で最高の思い出を残せたのなら、、、支えてくれたみんなに「ありがとう」しかない。

＜マスターズ 最終日 タイガーウッズ＞

レッドウェア、レッドフェイス

■世界の中心で
花見客を横目に空港に向かう車中、マスターズの最終日に赤いウェアを纏（まと）った彼を撮るイメージは全くなかった。しかし新たに立ちはだかった壁を乗り越え、右脚を少しだけかばいながらオーガスタナショナルに彼は再び現れた。まさに死の淵から戻ってきた彼の一打一打に全世界の視線が降り注ぐ。

＜マスターズ 3日目 18H＞

This is MASTERS.

■This is MASTERS
映像や写真でしか見たことがなかったオーガスタナショナルの18番グリーン。最終組がやって来るタイミングで、ひしめくパトロンに押し出されるように意図せず辿り着いたこのポジション。偶然目の前に現れた「This is MASTERS」な光景に夢中でシャッターを押す。そしてカメラで塞（ふさ）がった両手の代わりに、いつまでも心の中でこの偶然と必然の光景に拍手を送り続けた。

• ・フォトグラファー 今井暖 ＜写真集＞