ヒッグスは奇策練習で好位置スタート(提供：Augusta National Golf Club）

◇メジャー第1戦◇マスターズ 初日（7日）◇オーガスタナショナルGC（ジョージア州）◇7510yd（パー72）

開幕前の悪天候で事前ラウンドが制限されたのは、オーガスタでの経験が浅い選手ほどつらい部分。初出場の30歳、ハリー・ヒッグスも5日（火）の練習を途中で切り上げることになり、思案した。

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スイングコーチ兼キャディである弟のアレックスさんが向かったのはスポーツ用品店。そこで購入したネットをコース近くに借りている家の広々としたバッグポーチ（屋根付きの出入り口）に張って、即席の練習ネットを自作した。打球が当たる箇所をTシャツで補強するなど手作り感満載でも「いいショットを打てていた感触をキープしたかったんだ。素振りと実際にボールを打つのじゃ、全くの別物だよ」。5バーディ、4ボギーの「71」で1アンダー10位と好発進したから、なんだか説得力も出てくる。

3日（日）、4日（月）は2020年大会を制したダスティン・ジョンソンと一緒に練習ラウンドを回り、「最高のアドバイスをもらった。僕が戸惑っていると、彼が近寄ってきて、いろいろ話してくれるんだ」。ピン位置によって外してもOKな場所とそうでない場所を見極めるのは、オーガスタ攻略の鉄則。短い時間ながら歴代チャンピオンの知識を吸収できたのは大きい。

コース内のリーダーボードにも名前を載せたデビューラウンド。「とてもクールな瞬間。同じようなスリルを日曜（最終日）の遅い時間に味わえたら良いよね」。陽気な男のテンションは上がりっぱなしだった。