単独首位で折り返した李昊桐。キャップには「WeChat」の文字が入る(Christian Petersen/PGA of America via Getty Images)

◇メジャー第1戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目（7日）◇TPCハーディングパーク（カリフォルニア州）◇7251yd（パー70）

「何も知らないんだ」。今季唯一のメジャーを単独首位で折り返した李昊桐（中国）は、記者会見で飛び出した政治的な質問に口を閉ざした。

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ドナルド・トランプ米大統領は6日、メッセンジャーアプリ「微信（ウィーチャット）」を運営する中国IT大手テンセントとの取引を45日後に禁止する大統領令を出したが、李は「3年前」からスポンサー契約を結び、キャップには「WeChat」の文字が入る。

記者会見で大統領令をどう思うか問われ、「何も知らないね。誰が（詳しいことを）知っているんだ」とだけ返答した。

ツアー中断中は中国に戻り、新型コロナウイルス感染拡大で多くの死者を出した湖北省に獲得賞金の一部を寄付した。中国では春先に爆発的な感染者数を記録したが、徐々にゴルフ場はオープンされ、ツアー再開に向けて調整できたという。

「メジャーは常にタフだ。ベストを尽くすしかない」と話を本職に引き戻した25歳はこの日、5バーディ、ボギーなしの「65」をマーク。「何かを成し遂げようと思っているわけではなく、ただプレーすることを楽しんでいる」。米ツアーこそ未勝利だが、ロリー・マキロイ（北アイルランド）やトミー・フリートウッド（イングランド）らが出場した2018年「オメガドバイデザートクラシック」を制すなど欧州ツアー2勝の実績がある。

メジャーでの最高位は、イングランドのロイヤルバークデールGCで行われた2017年「全英オープン」の3位。優勝したジョーダン・スピースとマット・クーチャーの熾烈な争いに注目が寄せられたが、最終日にベストスコア「63」をマークした。

「ずいぶん前のことだ。でもあの経験が心に残っているし、次の2ラウンドでも役に立つと思う」。中国人初、アジア勢としてY.E.ヤン（韓国）以来となるメジャー制覇へ、集中力を高め決勝ラウンドに入る。