「言葉が出ない」山下美夢有の予選落ち 渋野日向子の光明と桑木志帆のムービングデーの鍵/解説・宮里美香
◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 2日目(31日)◇ロイヤルリザム&セントアンズGC (イングランド)◇6601yd(パー71)
2026年の女子メジャー最終戦は波乱の折り返しとなった。大会連覇を狙った山下美夢有が、最終18番で「8」をたたいてまさかの予選落ち。2019年覇者の渋野日向子もカットラインに1打足りずコースを去った。世界最高峰の戦いで、日本勢のフィールドをリードするのは国内女子ツアーを主戦場とする桑木志帆。中継局U-NEXTの「日本勢徹底マークLIVE」チャンネルで解説を担当した宮里美香が激動の予選ラウンドを振り返った。
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山下美夢有が18番でクアドラプルボギー
言葉が出ません。完全に想定外、想像ができませんでした。山下選手が予選通過圏内で迎えた最終18番で「8」。決勝ラウンド進出を逃すことをだれが予想していたでしょうか。
ポットバンカーから脱出できなかった18番の4打目はライも悪かったように見えました。あえて言うのであれば、直前のフェアウェイからの3打目を左のバンカーに入れてしまったことが驚きでした。風を意識したショットだったのかもしれませんが、ああいった場面で必ずグリーンに乗せてくる山下選手だからこそ、珍しいシーンだったと改めて思います。
連覇がかかった今大会。本当のところは本人にしか分からないとはいえ、ディフェンディングチャンピオンとして、試合前の時間を誰よりも忙しく過ごしたはずです。各種のイベントへの参加を求められ、普段からたっぷり時間をかける練習の絶対量は少なかったと思わざるを得ません。ホールアウト後の表情を見る限り、抱えた悔しさは相当なもののはずです。
バーディパットが入っていれば…渋野日向子も姿消す
カットラインとの争いを強いられた渋野選手は18番で外れたバーディパットが本当に残念。初日から、ひとつ入ればきっと流れが変わったと感じるホールがたくさんありました。この日の終盤も14番で長いパーパットを沈めたり、その後必死にボギーセーブしたりと粘りを見せてくれましたが、リズムを良くするのはバーディパットが入ること。そのためにも、ショットでチャンスを作り切れなかったことが悔しいのではないかと思います。
シーズン初めの予選落ちが続いた時期を6月の「全米女子オープン」(17位)で乗り越え、「エビアン選手権」(16位)でも復調の兆しを見せています。大きな舞台で力を発揮するところは健在で、メジャーで再び上位でプレーすることで、少しずつ自信につながっているように思います。
正直なところ、本人はまだ苦しい時期を過ごしている感覚でしょうが、ゴルフ人生が長ければ長いほど、こういった時間が必ず来ます。めげずにコツコツとやるしかない。「ゴルフを楽しんでやる」というのも、本当はプロゴルファーには難しいことです。目先の結果にこだわり過ぎず、やるべきことに集中して自信をよみがえらせてほしい。ちょっとずつ戻ってきた、あの強気なパッティングを見たい人がたくさんいます。
桑木志帆にメジャー初制覇のチャンス
メジャータイトル獲得に向けて素晴らしいプレーを続けている桑木選手は、徹底したコースマネジメントが光ります。欲を出し過ぎず、気持ちの割り切りがしっかりできているように感じます。2日目はフェアウェイキープ、パーオンに失敗したのはいずれも2ホールだけとショットが安定。1ラウンド34パットで、1アンダー(70)とは…なかなかあることではありません。
日本ツアーを主戦場にしながら、スポット参戦でプレーした今季メジャー4試合すべてで予選を通過したのは大きい(全米女子オープン14位、全米女子プロ24位、エビアン選手権41位)。様々なコースへの対応力の高さを見せていて、一つひとつの結果が着実なレベルアップにつながっていると思います。
最終日に優勝争いをするために、3日目の出来が本当に重要になります。まずは“雰囲気負け”をしないこと。メジャーの決勝ラウンドの空気はやはり独特。不慣れなことも多く、自分を信じてプレーするというのも簡単ではありません。この2日間の自信を丁寧に、うまくプレーにつなげられたら最高の結果を呼び込めるはずです。