LA拠点にルーキーイヤーへ 山下美夢有は日本勢の先輩に学んで「優勝を目指す」
◇米国女子◇ファウンダーズカップ 事前情報◇ブラデントンCC(フロリダ州)◇6465yd(パー71)
昨年12月の最終予選会をトップ通過した山下美夢有は、初陣を前に会見場へ呼ばれた。ともに上位で出場資格を得た岩井明愛、千怜のツインズとともに注目度の高さを示した形。「ルーキーイヤーを楽しんで、(まず)予選通過を目指して、上位で戦えるように。優勝目指して、1試合1試合やっていけたら」と意気込んだ。
米ツアーでは新人でも、日本での実績は十分すぎるほど。昨年6月のメジャー「KPMG全米女子プロ選手権」では2位と堂々の優勝争いを演じた。「攻めたい気持ちはあるけど、なかなか攻められないピン位置だったり、外してはいけないところが練習ラウンドでたくさんあった。その辺を気を付けながら、ショットをしっかり打てるように」。的確な分析と冷静な準備に、隣で聞いていた千怜が会見中ながら思わず「それってメモとかするんですか?」と質問する一幕もあった。
この日は事前チェックでコースに出る前にみっちり2時間以上も練習した。「なかなか思うようなショットというか、スイングがまだ作れていない部分の不安もある。その辺は(日本にいるコーチの)父と話しながらやっている」と表情を引き締める。コース上でも計測器を持ち歩き、日本とは異なる芝質や気候が距離感に与える影響をデータとして蓄積。入念な準備があって、誰よりも緻密なゴルフができる。
その練習ラウンドも米ツアーの先輩に当たる渋野日向子、勝みなみと一緒に回った。「先輩方、すごく優しい方が多い。何年も戦っている選手もいますし、すごく心強いですし、学ぶこともメチャクチャある。ゴルフ以外の(転戦についての)アドバイスだったり、いろいろ聞いて、自分にプラスしてレベルアップしていけるように」。日本勢が13人ほどに増えている環境も、適応を手助けしてくれるかもしれない。
予選会後に示唆していた米国での拠点はカリフォルニア州ロサンゼルスに確保したという。「試合も続くと思うので、そこまでは帰れないと思いますけど…」と言いつつ、態勢は整えた。「日本は設備とかも整っている。こっちはうまくいかないこともたくさんあると思うけど、その時はその時に応じて。出られる試合に出て優勝を目指して頑張りたい」。新たな挑戦を前にたくましく言った。(フロリダ州ブラデントン/亀山泰宏)