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「眠れなかった」イ・ボミ、重圧に打ち勝ち今季2勝目

盤石に見えた勝利は、いくつかの勝負どころを切り抜けた先にあった。国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」最終日、4打差の単独首位から出たイ・ボミ(韓国)はノーボギーの「67」で回って、通算20アンダーとし、2位に5打差をつけて今季2勝目をマークした。

珍しく固さの見えた序盤だった。「昨夜はあまり眠れなかった。4打差リードは初めてで、優勝できると思うと、おかしな気持ちになってしまった」と打ち明けた。

1番(パー5)は最終組全員がバーディとした。同組のペ・ヒギョン(韓国)、堀琴音が先に沈め、イのバーディパットは1m強。「簡単なラインじゃなかったし、あれを外していたらちょっと嫌な雰囲気になっていたと思う」と清水重憲キャディは振り返ったが、イは確実にこれを沈めた。

だが、3番ではファーストパットを1m半オーバーし、逆に6番では1mショート。ともにパーパットは沈めたが「朝の練習グリーンが速くて、タッチが合わなかった」と、パーを重ねる隙に、ペが4番、5番で連続バーディを奪い2打差に迫った。

13番(パー3)を迎えたときも、リードは2打。イはティショットをピン右上10mにつけていた。普段、イは同組選手のパットは見ないという。「私と他の選手のスピードが違うから、悪いイメージが出てしまう。清水さんに『あまり切れなかったよ』とか教えてもらう」という戦略だが、このときは先に打った堀のバーディパットをじっと見た。

「(堀)琴音さんの長いパットを見て、スピードを覚えようと思った」。イは1m以上大きく左に曲がるパットを沈め「これで優勝できると思った」と、この日初めての笑顔を見せた。優勝を確信した以外にも、この日初めての笑顔には理由があった。「他の選手がプレーしているのに、ガッツポーズをしたり、笑ったりしたら、プレッシャーになるかなと思って…」。さりげない、女王の気遣いだった。

15番で2mを沈めて通算20アンダーとし、あとはツアー史上最少スコアとなる通算21アンダーを更新するかに注目が集まった。16番、17番と惜しいチャンスを決められず、意識は「しましたぁ」と唇をとがらせて、悔しそうに振り返った。それでも、4日間でわずか3ボギーに抑える完勝で、今季2勝目とともに優勝賞金2520万円を積み上げた。

次戦は海外メジャーの「全米女子オープン」に出場する。「数年前までは私はアメリカで出来る実力じゃないと思っていた。でも、ANA(インスピレーション)でトップ10に入ったし、今は自信を持って頑張りたい」と、世界の舞台にもひるまない。その先に、リオの光も見えてきた。(千葉県袖ケ浦市/今岡涼太)

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