苦悩と挫折を味わった“黄金世代” メジャー初Vの河本結が目指す道
◇国内女子メジャー◇ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 最終日(10日)◇茨城ゴルフ倶楽部西コース(茨城)◇6718yd(パー72)◇晴れ(観衆7828人)
フィールド全員がオーバーパーで終えた国内メジャー初戦。過酷なサバイバルゲームを通算1オーバーで制した河本結は、不思議な感覚の中で最後の18ホールを戦っていた。「(勝ちたい気持ちが)全然出てこなくて…。とにかく『この球をどこに打つか、どう歩くか』っていう感じで気づいたら終わっていたような。なんか変な感じですよね」
ツアー通算5勝、昨季メルセデスランキング3位の実力者にも、もがき苦しんだ時期がある。「2023年ぐらいかな…。やっぱりアメリカに行ってからすごい、つらかった」。2019年末のQシリーズ(最終予選会)を突破して米ツアーに参戦。しかし、21年5月に撤退を決断した。帰国後もタイトルが遠いシーズンが続き、「全然成績が出なくて、1、2試合しか予選を通らなかった時が(メンタル)やばかった」という23年シーズンは自信を失いかけた。開幕から16試合で12回の予選落ち。途中棄権も2回あった。
最終組をトップで回っていた河本の真価が問われたのは17番(パー5)だった。5組前でプレーする鈴木愛がサンデーバックナインにホールインワンを含む2つのイーグルを奪うなど、この日のベストスコア「67」をマークして首位に並ばれた。スコアを落とせない状況で自分を奮い立たせたのは過去の悔しさだった。
「自分の底力を出してくれたと思うし、大人になれたというか…冷静に勝負に挑めるようになったのはそういう(過去の)経験が大きいと思う」。2オンを狙わず、冷静なマネジメントで刻んだ3打目をピンそば30cmにつけて再び抜け出す。1998年度生まれの“黄金世代”による国内メジャー制覇は畑岡奈紗、渋野日向子、勝みなみ、原英莉花に続く5人目となった。
8月には28歳になり、ツアーでも中堅にさしかかる立場。今後のライフプランについては「あと5~7年ぐらいは(第一線で)できるんじゃないかなと。あとはその時の出会いだったり、結婚であったり。いまは全然読めないので、ゴルフが彼氏って思って過ごしている。それが楽しいし、その生き方でいいのかな」と述べた。
公式戦優勝により3年間の複数年シードも獲得した。来年から10年以内に行使できることもあり、アメリカ再挑戦のプランも描きやすくなるが、「いや~、いまは年間女王を取ることが頭にあるので。それを取ったらまた考えるかもしれないけど、まずはそこかな」と話した。遠回りも、苦悩も味わったからこそたどり着いたメジャータイトル。ここからまた、最終目標に向かってまっすぐ歩みを進める。(茨城県つくばみらい市/安平賢太郎)