2026年 Vポイント×SMBCレディスゴルフトーナメント

「1勝して、自分の気持ちを楽にさせたかった」 笠りつ子が38歳で意識した“第二の人生”

2026年 Vポイント×SMBCレディスゴルフトーナメント 最終日 笠りつ子
笠りつ子が5年ぶりの優勝を飾った

◇国内女子◇Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント 最終日(22日)◇紫CC すみれC(千葉)◇6731yd(パー72)◇晴れ(観衆3746人)

単独首位で迎えた最難関ホールの17番、1.5mのパーパットがカップに蹴られた。ティショットが木に当たった14番で4mを決めきるなど、ピンチほど冴えていた笠りつ子のパッティングがわずかに乱れた。「ラインのミスです」。そう悔やむ一打で同じ最終組を回る神谷そらに並ばれた事実は重いはずだった。

最終18番はパー5で、昨季ドライビングディスタンス1位だった神谷の武器が生きる。「ここで、そらちゃんがバーディを獲って負けるんだろうな…」。よぎった弱気な思いを「ゴルフの神様、どうかお願い!」と半分“神頼み”で振り払ったという。全身全霊の3打目勝負でプレーオフに持ち込むはずが、2打目のレイアップはアドレナリンなのかイメージより20ydほど飛びすぎる“ミス”。残り48ydからサンドウェッジで4mほどにつけると、2打目をピンサイドの深いガードバンカーに入れてトラブルとなった神谷を尻目に鮮やかなバーディフィニッシュで勝ち切った。

2026年 Vポイント×SMBCレディスゴルフトーナメント 最終日 笠りつ子
鮮やかなバーディフィニッシュ

満面の笑みが輝いたのは一瞬で、すぐにうれし涙があふれる。「あきらめなくて良かった」。シードに届かなかった直近2シーズンを挟んで2021年「ヨネックスレディス」以来となるツアー7勝目をつかむまでに大きな心境の変化があったのは、16年ぶりの出場だった昨年12月のファイナルQT前後のタイミング。「とにかく1勝して、自分の気持ちを楽にさせてあげたい。イケイケではなくて、1回勝って『もういいんだよ』って余裕を持たせるというか。第二の人生ではないですけど…」とキャリアの節目を意識するようになった。

2026年 Vポイント×SMBCレディスゴルフトーナメント 最終日 笠りつ子
38歳で迎えるシーズンを前に心境の変化もあった

インパクトでストロークが緩むパッティングの悪癖と向き合ったオフの調整も、これまでのようにストイックに追い込むだけではなくなった。「さくちゃん(小祝さくら)と一緒に海に入ってみたり、山登りをしてみたり、パンケーキを食べてみたり…」。それでいて、QTランキング38位で臨むシーズンで自らに課したハードルは最も高い「優勝」だった。「いや、やっぱり勝って“終わった”方が気持ちいいかなと思いまして…」

2026年 Vポイント×SMBCレディスゴルフトーナメント 最終日 笠りつ子
答えを出すのは、もうちょっと待って!

シーズン3試合目で早くも目標を達成し、いまはとにかく5年ぶりの感慨にゆっくりと浸りたい。「(今シーズンは)絶対やる! やるけど、次のことはまだまだまだまだ…。ちゃんと考えます。きょうは優勝を味わいたいから、少々お待ちください」。答えを出すのは、この瞬間を夢見ていた人たちと喜びを分かち合ってからでも遅くない。(千葉県野田市/亀山泰宏)

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