2025年 KKT杯バンテリンレディスオープン

3度も決めた5mのパーパット 「外しても死ぬわけじゃない」と腹をくくった佐久間朱莉

2025年 KKT杯バンテリンレディスオープン 最終日 佐久間朱莉
優勝が決まると両手を挙げて喜んだ(Atsushi Tomura/Getty Images)

◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 最終日(20日)◇熊本空港CC(熊本)◇6565yd(パー72)◇曇り(観衆3275人)

サンデーバックナインはヒヤヒヤの連続だった。佐久間朱莉は「キーポイントは多かったです」と一日を振り返る。

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同じ尾崎将司門下の小林夢果と首位で並んで迎えた13番(パー3)。グリーン奥ラフからのアプローチが5mもショートしたが、パーパットをねじ込んだ。小林がダブルボギーを叩いた14番は5mのパーパットを決めて抜け出した。17番もショートサイドのバンカーに捕まり、5mのパーパットを沈めた。

「『外しても死ぬわけじゃない』と考えて、いいストロークをすることに専念しました」。13、14番は沈めた後、ガッツポーズもなく無表情のままだった。17番は「決まった瞬間に『いけるかも』と思って」とグリーンを出て、少しだけ笑った。

2025年 KKT杯バンテリンレディスオープン 最終日 佐久間朱莉
17番でパーパットを沈めて出たガッツポーズ(Atsushi Tomura/Getty Images)

11番(パー5)では不運を吹き飛ばした。悪くないドライバーショットがフェアウェイに立つ木の真裏についた。「スイングのフォローで間違いなく幹に当たるんで、キャディさんと相談してクラブを決めました」。ユーティリティは13番(パー3)などで必要になる。消去法で「折れてもいい」と選んだ7番アイアンでシャフトを幹に痛打しながら、パーセーブにつなげた。そのクラブを、この日5個目にして最後のバーディを生む16番(パー3)のティショットで使うとは夢にも思わなかった。

惜敗の歴史で強くなった。過去に2位を4度経験したが、最初はプロ3年目の23年「リシャール・ミル ヨネックスレディス」。プレーオフ1ホール目に池ポチャをして、川岸史果に負けた。その後の3度は昨年で全部1打差。「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」は最終日にボギーなしの「66」で回り、「65」の阿部未悠に負けた。「ニチレイレディス」もボギーなしの「65」で回ったのに、「64」の岩井明愛に負けた。佐久間は「一番きつかったのはスタジオアリスかな」という。薄氷の戦いを乗り切る心が、ボギーなしでこの日のベストスコアタイ「67」につながった。

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優勝後には師匠の尾崎から祝福のメッセージも届いた。「あと一歩が届かない悔しさを体験して諦めずに努力した事が1つ目の勝利を呼び込んだね。朱莉、優勝おめでとう」

待望の1勝で夢は広がる。5月29日開幕のメジャー「全米女子オープン」(ウィスコンシン州エリンヒルズ)に出たい。「世界ランクの資格で出る」と決めており、22日の日本予選にエントリーしなかった。今回の優勝で世界ランキングは現在97位から上昇必至、5月19日時点の同75位以内という出場権獲得へ。国内メジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」(5月8日~/茨城GC東C)などで2勝目を手にして…。「未勝利最強」の肩書が外れて、新たなシナリオが動き始めた。(熊本県菊陽町/加藤裕一)

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