ツアープレーヤーたちのライバル関係 <谷口徹 VS 手嶋多一>
先月のアイフルカップでツアー3勝目を挙げた手嶋多一はその優勝賞金で、谷口徹にゴハンをおごる約束をしているのだが、その内容には谷口が思わず首をひねった。
「・・・それって、ちょっとセコくない?」
無理もない。手嶋が谷口にご馳走すると言ったのは、何を隠そう「牛丼」。そのメニューでは、現在賞金ランク2位につけている選手にしては「さすがに値段が安すぎない?」と谷口は、言ったのである。
しかしこれには手嶋も黙っていない。ムキになって言い返した。
「そういう自分かって、去年は賞金王にまでなったくせにオレにはコーヒーしかおごってくれへんかったやん!!」
「そ、それは・・・ちょうど自分が食事し終わった後に言ってきたから、『何がいいの?』って聞いたら、“じゃあ、コーヒー”って自分のほうから言い出したからでしょっ!!」
「じゃあ今度、改めてフランス料理とか、おごってよ」
「えええ~!? フランス料理~? 自分は牛丼でなんでオレはフランス料理なのよ・・・」
・・・まるで子供のケンカのようなやりとりが延々と繰広げられ、そんな2人のまわりにはいつの間にか、他の選手も集まってきて笑いの輪が出来上がっているのだ。
それがいつもの彼らの会話のパターン。そうやって憎まれ口をたたき合い、ライバル心を燃やし合いながら、それをゴルフへのエネルギーへと変えて戦いを続けている。
2週間のオープンウィークを経て突入するツアー後半戦。
特に手嶋にとって、今週の久光製薬KBCオーガスタは地元・福岡での大会だ。96年には最終日、ジャンボ尾崎と5打差の10位スタートから64でまわって追いついて、プレーオフの末2位になった。まだ、シード権をもたない時代に存在を大きくアピールした思い出の試合で、今季2勝目の期待が集まる。
※日本ゴルフツアー機構が発刊しているメールマガジン(プレーヤーズラウンジ)より転載しています。