「あ、もう試合やってたんですね」山下勝将は姉・美夢有の快進撃を知らず必死の予選通過
◇国内男子◇バンテリン東海クラシック 2日目(30日)◇三好CC西コース(愛知)◇7300yd(パー71)◇曇り(観衆1800人)
米女子ツアー「メイバンク選手権」連覇へ、山下美夢有が快進撃していることはもちろん、大会が始まっていることすら知らなかった。「あ、もうやってたんですね。そっか。美夢有は初日…いや、2日目ですか」。1歳下の弟、山下勝将はそう言って笑った。
「一昨日かな、グループ通話したんです」。マレーシアにいる姉、自分の応援に来ている父・勝臣さん、母・有貴さんとの“家族電話”でゴルフの話はほとんど出なかった。「家族で話してる時に(コーチの)父を交えて“こうしたらええんちゃう?”とか、軽く言われることはありますけど」。そう話す姿に力みはない。
イーブンパー35位から朝イチ組で回り、2つ落として前半を終えた頃、姉はマレーシアで1打差2位からスタートした。弟は自分のことに必死だった。前半9ホールでドライバーショットのフィニッシュが決まったのは、最後の18番だけ。後半7番終了時点で4オーバーとなって8番(パー3)でチップインの初バーディ。最終9番で142ydを9番アイアンで1mにつけ、やっと“まともなバーディ”でフィニッシュ。その後、雨が強まったこともあり、2オーバー43位での予選通過だったが、ホールアウト時点は暫定カットライン上の“滑り込み”だった。
“必死のパッチ”でマークした「73」だ。「朝の練習場ではいいんです。でも、いい時ほどコースであかんかったりする。それが今の力なんで」。一日の内容どうこうではない。プロ1年目だった昨季はツアー7試合で予選落ち4回。今季は11試合で4回。レベルアップはしていても「毎日アンダーで4日間できたら上位にいけます。でもそういう人より、僕は全部が劣ってる。ショットが悪い時にどうやってまとめるかも、そうですよね」と自分に言い聞かせるように話す。
姉は姉、自分は自分。ただ、姉のすごさは嫌ほどわかる。自分が求めるものを「再現性」と表現した。それは“精密機械”のような姉がすでに身につけ、さらに追い求めるものと同じテーマだ。(愛知県みよし市/加藤裕一)