桂川有人のパットドリル 「左腕とグリップの間にボールを1個」手首の動きが改善
◇国内男子◇バンテリン東海クラシック 事前◇三好CC西コース(愛知)◇7300yd(パー71)
前週「ジェネシス選手権」で欧州2勝目を挙げた桂川有人。その興奮も冷めやらぬ火曜日(27日)、三好CCのパッティンググリーンに姿を見せ、黙々とボールを転がしていた。
9月に新たなパッティングコーチ、アレハンドロ・ララサバル氏を迎えて以降、パットのスタッツはみるみる改善した。グリーン上でのパフォーマンス向上が、現在の好調を支える大きな要因になっている。では、具体的になにが変わったのか。
一つは、既報の通りパターを1本に絞ったことだ。「スパイダーツアーX」のセンターシャフトを使用している。
桂川と言えば、以前は毎試合のように2、3本のパターを持ち込み、「ボールの転がりに対して自分のフィーリングとなかなか合わなかった」と試行錯誤を繰り返していた。しかし、コーチとのセッションの中で「パターを1本に絞りなさい」と助言を受け、最もアライメントが合う1本に出会ったことで迷いが消えた。「打ち方もよく分からなくなっていて、パターを替えることで対応していました。でも、それが良くなかったと思います」と振り返る。
もう一つの要因は、ストロークの改善だ。取り組んだのは、自身の癖だった「フリップ」の矯正だった。フリップとは、インパクト付近で手首を急激に手のひら側に返す動きで、ロフトが増えるような状態を指す。桂川はインパクト直前にフリップしやすく、ロフトがついた状態でボールに当たり、フェースの開閉も起きやすかった。
矯正のためにコーチが与えたのが、左腕とグリップの間にボールを挟むドリルだ。原理はシンプル、ボールが落ちないようにストロークすれば、シャフトの傾きが抑えられ、手首のフリップを防ぎながら適正なロフトを保ったままインパクトできる。非常に単純なドリルだが、「ボールの転がりがすごく良くなった」と大きな前進だった。
クラブの迷いがなくなり、ストロークも改善されたことで、取り組むべきことは単純になった。普段の練習では、主に距離感を養うドリルに時間を割くという。三好の練習グリーンでも、ロングパットを繰り返し打ちながら、距離感を確認していた。
「ボールも真っすぐ出ているし、ストロークもいいと言われています。頭の中がクリアになったのでもうあとはコレ(距離感)をやるだけ。どうしようかとか悩まなくなったのは大きいです。めちゃめちゃ自信になります」。まさにその自信を携えて臨んだ久々の国内ツアーでは、初日に「65」をマークし、単独首位で発進した。
来週からは欧州ツアー最後の2戦が控え、10月上旬の「スペインオープン」からは6試合連続で転戦することになる。それでも好調な状態で戦えている現在の状況に、桂川はどこかワクワクしているようだった。(愛知県みよし市/服部謙二郎)