「飛ぶものが好き」で始めたゴルフ 元東北福祉大主将の古瀬幸一朗がルーキーVへ10位ターン
◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 2日目(29日)◇ JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山)◇7480yd(パー72)◇晴れ時々曇り(観衆1112人)
ツアールーキーの古瀬幸一朗は、小さい頃から“飛ぶもの”に夢中だった。「僕は昔から飛んでいるものが好きだったらしいんです。野球とゴルフと飛行機が大好きでした」。つまり将来の夢は3つあった。しかし、野球は「デッドボールが痛そう」だし、パイロットは「現実味がないな」と思った。ゴルフとの出合いは2歳の時。庭で靴ベラを手にピンポン玉を打ったのがはじまりだ。何より両親は競技ゴルフ出場歴があり、祖父母を含めてゴルフ好きの一家で育った22歳が、この世界を選ぶことはごく自然な流れだった。
香川西高時代に香川県アマを制し、学生ゴルフの強豪・東北福祉大に進学した。3学年上に蝉川泰果らがいるレベルの高い環境で腕を磨けたことが大きかった。「周りの人のレベルが高すぎて。上を見てゴルフをやっている方が成長できると、今となったらすごく感じますね」。強烈に記憶に残るシーンもある。ある日「偉大な先輩」の松山英樹が母校に来た。アプローチ練習場でおもむろに「ちょっと貸して」と、その場にあったウェッジでボールを打った。「打ったこともないウェッジなのに、ギューンってスピンがかかったんです」。そんな古瀬も主将を務め、4年だった昨年に「日本学生」のタイトルを獲得。QTを11位で突破し、今季から本格参戦するプロの世界に飛び込んだ。
ルーキーながら国内開催のツアー4戦で予選落ちなし。ただ最高39位と伸ばしきれないもどかしさを感じていた。出場資格がなかった前週は地元に戻り、1日27ホールを回るなど、「ゴルフをしているか寝ているかでした」と腰を据えてショットを見直した。クラブもドライバーとパターを学生時代に使っていたものに戻すなど心機一転で今大会に臨んでいる。15位から出たこの日は前半13番でボギー先行。それでも15番でラフからの第2打を、キャリーをコントロールして手前に切られたピンそば1mにつけてスコアを戻した。4バーディ、1ボギーの「69」と2日連続60台で通算8アンダー10位とし、今季5度目の決勝に向かう。
「将来的にはPGAツアーで戦える選手になりたいですけど、ちゃんと国内で力をつけてから行きたい」。今シーズンの目標はツアー初優勝だ。ルーキー勢では早大出身で23年「日本アマ」覇者の中野麟太朗が注目されるが、ちょっぴり対抗心もある。「早いうちに優勝したいですね。もちろん上位のスコアは見ますけど、明日からもコースとの勝負だと思っています」。ルーキー一番乗りVへ、トップとの7打差を追う週末が始まる。(岡山県笠岡市/中村文香)