2026年 日本プロゴルフ選手権大会 センコーグループカップ

「2カ月ベッドで死ぬか生きるか…」カムバックの片山晋呉はChatGPTで長尺パター開眼

2026年 日本プロゴルフ選手権大会 センコーグループカップ 2日目 片山晋呉
“チャッピー直伝”のスタイルでスコアを伸ばした片山晋呉(c)JGTO images

◇国内メジャー初戦◇日本プロゴルフ選手権 センコーグループカップ 2日目(22日)◇蒲生ゴルフ倶楽部(滋賀)◇6991yd(パー72)◇曇り

予選同組だった出利葉太一郎は、今季ドライビングディスタンス1位(333.08yd)につける25歳。いま国内男子ツアーで最も飛ぶ選手と回った53歳の片山晋呉は感嘆の声を漏らす。「僕はもともと飛ぶ方ではないからね…。でも、すごいっすね。一番置いて行かれたところで65yd。皆さん、すごく“素敵”でした」。もう一人の香妻陣一朗も含めた後輩選手を褒めちぎりながら、通算7アンダーは3人のうちで最もいいスコア。まさに永久シードプレーヤーの貫録を見せつけた。

「楽しいまでいかない必死さ、哀愁が漂って歩いてるんじゃないですか」と冗談めかしながら、スコアだけではない充実感があふれる。昨年6月、細菌などの感染によって椎間板に炎症が起きる化膿性椎間板炎で緊急入院し、長期離脱を余儀なくされた。症状は重篤で「死ぬか、最後生きるかのところで2カ月ベッドにいたんでね。本当にコンビニにも行けない、トイレにも行けない時間だったので、ゴルフ場に来てこうやって球を打ってることが幸せです」とかみしめるように話す。今季シニアツアー開幕戦からようやく本格的なカムバックを果たし、いまはゴルフができることが純粋にうれしい。

6991yd(パー72)とレギュラーツアーにおいて長くはないセッティングも、飛距離的にはフェアウェイの「一番狭いところ」を捉えていかなくてはいけない難しさがある。その中でFWキープ率71.42%(10/14)を記録した安定感、UTなど長いクラブでもチャンスを量産した2打目以降の精度、そして長尺パターがさえ渡った。

身体の中心よりかなり右側、肩の前でセットアップするルーティンが特徴的なパッティングのスタイルは大会初日から取り入れた。そのきっかけが、柔軟なアイデアと何事にもオープンなマインドでゴルフを極めようとしてきた片山らしい。

「マネジャーの子が教えてくれたんです。『チャッピー』に聞いたみたい」。小学生の時からファンとしてゴルフ場で“追っかけ”をして現在片山のマネジャーを務める黒澤ヒカルさんが、長尺パターの引っ掛け解消の糸口がつかめずにいるボスの悩みを生成AIサービス・ChatGPTに相談してヒントを得た。「自分じゃ考えられないことを答えてくれるから、受け入れるしかないでしょう。(ボールの位置が)20㎝くらいは右になったんじゃない?チャッピー、すごいですよね」

ホールアウト時点で首位と4打差の好位置につけた。2017年「ISPSハンダマッチプレー選手権」以来のツアー32勝目となれば、2018年大会の谷口徹(50歳92日)を超える53歳113日での国内メジャー最年長V。日本タイトル8勝目で歴代単独5位に浮上する。「やっぱり、勝っている人にしか分からない喜びはありますよね」。フィールドの誰より積み重ねてきたプライドもにじませた後で「だってもう素晴らしいよ、皆さん。僕はチャンスというアレじゃないですよ。地道に伸ばしていければ」と謙虚に言った。(滋賀県日野町/亀山泰宏)

<日本タイトル歴代勝利数>
勝利数/選手名(ツアー制以降)
19/尾崎将司(16)
13/青木功(13)
12/中嶋常幸(12)
10/宮本留吉(0)
7/片山晋呉(7)、尾崎直道(7)、中村寅吉(0)

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