JLPGAが大逆転で連覇 MVPに佐久間朱莉/3ツアー対抗戦
2024年 Hitachi 3Tours Championship
期間:12/08〜12/08 場所:京葉カントリー倶楽部(千葉)
シニア藤田寛之「一回休むとダメなんだ」 好発進もまさかの逆転負け
◇国内ツアー対抗戦◇Hitachi 3Tours Championship 最終日(8日)◇京葉CC(千葉県)◇3730yd(JGTO)、3502yd(PGA)、3252yd(JLPGA)=9ホール(パー37)◇晴れ(観衆2613人)
「なんか、シニアらしいな。一回休むとダメなんだ」。PGAのキャプテンを務めた藤田寛之はケラケラと笑いながら話す。
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午前と午後の2部制で行われた今大会。フォアボール方式(各自のボールをプレーして良いほうのスコアを採用)の1stステージをPGAは首位で滑り出した。伊澤利光&増田伸洋ペアが7バーディ、片山晋呉&藤田ペアが6バーディの大暴れ。レギュラー男子、女子の若さみなぎるパワーを跳ね返し、まさかの好発進を決めた。「みんな予想外の空気を感じていましたね」。これ、もしかしておじさんたちが勝っちゃう?
しかし、フォアサム方式(一つのボールを交互に打ち合う)の2ndステージで急ブレーキ。“体力切れ”を起こしたように、各ペアでボギーが先行した。首位から最下位まで沈んで逆転負け。「みんなで『体力持たないんだねえ』とか言いながら、なぐさめ合っていました」。敗れはしたが、表情はすがすがしい。
優勝には届かなかったものの胸を張れる点もある。「やっぱり、みんな仲が良いですよね。この世界で30年くらい、一緒に戦っている仲間たち。“チーム力”としては、われわれが一番なんじゃないかな」。同士たちと戦った一日は充実した時間となった。
3ツアーが同じフィールドに集う大会は刺激的でもあった。優勝したJLPGAについては、「こんなにうまいんだなあ」と舌を巻く。午前午後ともに女子ツアーの年間女王・竹田麗央&小祝さくらペアと同組でプレーした。「飛距離は出るし、コントロールもできる。結果につながるゴルフをしていた印象。竹田さんは高いフェードを打っていて、女子の中でこういった球が打てればそりゃ結果は出るよな」とレベルの高さに感心した。
今季は6月のシニアメジャー「全米シニアオープン」で2位、プレーオフ最終戦まで進出し、来季の米シニアツアーのフルシード権を獲得した。「もう来年56歳なので、楽しみながら。そのなかで良いニュースをお届けしていければ」。アメリカから日本ゴルフ界を盛り上げるつもりだ。
2大会ぶり9勝目を狙ったJGTOは惜しくも届かず。元賞金王(2018、19年)の今平周吾も、他ツアーとの対抗戦ならではの驚きがあったという。「女子のギャラリーの多さ、声援がすごくて。感じたことのないレベルでした(笑)」。応援グッズを掲げて声援を送る女子プロファンたちの熱量は新鮮だった。
来季へは、「連続優勝が『7』で続いているので、来年も勝てるように」と目標を立てる。2017年の初優勝から続く毎シーズン優勝は、10月「日本オープン」で7シーズン連続に更新した。来季勝てば、歴代2位の尾崎直道の8シーズンと並ぶ(1位は片山晋呉と池田勇太の11シーズン)。実りの一年へ向けたオフシーズンが始まる。(千葉市若葉区/合田拓斗)