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NGKがゴルフ場の被災状況まとめる

2011/04/04 12:30

国内116コースが加盟する日本ゴルフ場事業協会(NGK)はこのほど、東北地方太平洋沖地震及び群発地震の影響を受けたゴルフ場の被災状況をまとめた。16都道県にわたり約550コースを調べたもので、関東・東北ゴルフ連盟の調査資料も織り込んでいる。

3月下旬時点の状況は、「宮城、福島、茨城、栃木県北部の物的被害が深刻なことに加え、原発事故や燃料不足、計画停電による客数減が懸念されます。資金繰りの悪化により、経営難に陥るところが出るかもしれない。実際、従業員の解雇に踏み切ったコースも現れています。連絡が不通だったコースを除き、人的被害はありませんでした。それが不幸中の幸いです」(NGK)。

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長期化が懸念される福島第一原発の放射線漏れによる被害は、福島県内の調査対象3コースが「営業再開の目処立たず」と報告しており、同様の問題を14コース程度が抱えると推測される。放射線被害の現状確認をすることで「安全宣言」を発し、営業再開につなげることが重要だが、「公的機関による汚染調査は、ゴルフ場にまで手がまわらない状況です」――。

岩手県以北のゴルフ場は震災の影響が比較的軽微だったが、先述の4県を中心に深刻な状況に置かれている。コース内の土砂崩れや陥没・亀裂、クラブハウスの一部損壊を含め、営業再開の目処が立たないのは宮城県7、福島県12コースで、茨城県内の22コースが3~8月の休止(未定3コース)を余儀なくされそう。栃木県内では1コースが「壊滅状態」と回答している。

また、計画停電への対応については、レストランや浴場を閉鎖して、スループレーを導入するコースも多く、カートの充電は夜間に行うなど、柔軟な姿勢で臨んでいる。

最大の問題は、資金繰りの悪化により経営難に陥るコースが現われること。国内約2400のゴルフ場は、過剰な価格競争などで、平時においてもキャッシュフローベースで赤字のところが多かった。近年では中国、韓国系の投資家が安値で買収するケースも目立っているが、今回の「震災不況」により、ゴルフ場業界の様相が一変する可能性も囁かれはじめた。

さるゴルフ場関係者がこう語る。「本社が関西、中部でも、東北地方に工場をもつ企業は多い。被災の影響で業務に支障を来たせば、本社周辺のゴルフ場でも需要が減ってしまうのです。このあたりの状況を、注意深くみていく必要があります」。仮にゴルフ場の閉鎖が相次げば、プレーの場を喪失し、ゴルフ人口の縮小につながりかねない。また、外国人観光客の増加に注力する観光庁は、ゴルフ場の有効活用で海外ゴルファー誘客のインバウンド効果を検討していたが、それらの青写真も大幅に狂ってしまう。

危機感を募らせるNGKは、政府の緊急融資や雇用助成金制度の活用を加盟コースに訴えるなど、ゴルフ場業界の下支えに懸命だ。ゴルフ場とプレー人口が減少すれば、ゴルフ用品業界にも深刻な影響を与えるだけに、業界の一致団結で気運を盛り上げる必要がある。



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