ワン・ジョンフンが史上3番目の若さでツアー通算3勝目を挙げる
プレーオフの末、ヨアキム・ラガーグレン(スウェーデン)とヤコ・バンザイル(南アフリカ)を退けたワン・ジョンフンが「コマーシャルバンクカタールマスターズ」を制し、ヨーロピアンツアー3勝目を挙げた。
3打差の首位で最終日を出た韓国のワンは、バックナインに入って後続につかまるも、16番のバーディで再び単独首位へ抜け出した。しかし、続く17番(パー3)のボギーで通算16アンダーとして勝負は18番(パー5)でのプレーオフへ持ち越し。プレーオフ1ホール目で勇敢な戦略を選択したワンは、グリーン奥から寄せワンで勝負を決めるバーディを奪った。
ヨーロピアンツアー出場29大会目、そして21歳144日で3勝目を挙げたワンは、これでマッテオ・マナッセロ(イタリア)、そしてセベ・バレステロス(スペイン)に次ぐ史上3番目の若さでヨーロピアンツアー3勝を達成した。
ヨーロピアンツアー初優勝を狙っていたバンザイルは、プレーオフ1ホール目で2オンに成功し、最も有利な位置につけながらも、この日2回目の3パットで優勝を逃した。これでバンザイルは、ヨーロピアンツアー出場150大会目で5度目の2位となった。ラガーグレンもヨーロピアンツアー初優勝を目指していたが、プレーオフで2打目を引っかけ、ガードバンカーにつかまったことで、優勝が遠のいた。
昨季、同じくプレーオフの末に「ハッサンIIトロフィー」を制し、その翌週の「アフラシアバンクモーリシャスオープン」も制して新人王に輝いたワンは、これで公式世界ゴルフランキングが最高で39位まで上昇することとなり、「マスターズ」出場へ大きく前進した。
「子供のころから『マスターズ』でプレーしたいと思っていました。いつも、あそこでプレーする自分の姿を想像していました。それだけに、この勝利はうれしいですし、『マスターズ』に出場できることを願っています。僕にとっては夢であり、夢の大会なのです」とワン。「今年は自分に一切プレッシャーをかけたくないんです。とにかく、他の選手から学びたいと思っています。このまま勝ち続けることができればいいですね。今は自信に満ち溢れていますし、早く次の大会でプレーしたいですね」。
「バックナインではとてもナーバスになりました。たくさんグリーンを外しましたが、今日はチッピングがとても良かったので、何とか凌いで結果的に勝つことができました。最後はとにかくバーディを奪おうと思っていました。それ以外のことは考えていなかったですね。とにかくバーディを奪いたいと思っていました」
ワンとバンザイルは出だし2ホールで連続バーディを奪う好スタートを切ると、その後、バンザイルが3番(パー3)と5番でもバーディを奪ったことで、リードは一気に1打差まで縮まった。バンザイルは続く6番で3パットのボギーを叩き、ワンが2打差でハーフターンするも、ワンが3番から11ホール連続パーとしたことで、後続に付け入る隙を与えた。
最初に首位のワンを捉えたのはフランスのミシェル・ロレンゾベラで、13番(パー3)までに7つのバーディを奪った彼は、池につかまった15番ではボギーを叩くも、ワンオン可能なパー4の16番でイーグルとして首位タイに浮上した。5番でバーディを奪ったラガーグレンは、8番から5連続バーディを奪う猛チャージをかけたが、13番でボギーを叩いて一歩後退。
バンザイルが13番、そしてラガーグレンが16番でバーディを奪い、ワンがグリーンをオーバーした14番でボギーを叩いたことで、一時は4人が首位で並ぶ展開となるも、ロレンゾベラは上がり2ホールを連続ボギーとして優勝争いから脱落した。
その後、16番でこの日5つ目のバーディを奪った南アフリカのトーマス・アイケンが首位タイに浮上するも、17番(パー3)でボギーを叩き、ワンが16番をバーディとしたことで、再びワンが一歩抜け出す展開となった。しかし、ワンはチップショットを寄せ切れなかった17番でボギーを叩いたことで、プレーオフでのフィナーレとなった。