ジェイディーとマクドウェルが好発進
昨年のファイナリストであるグレーム・マクドウェルとトンチャイ・ジェイディーがともに、ロンドンGCで行われている「ボルボ世界マッチプレー選手権」の初日で勝利を飾り、好発進した。
ジェイディーは17番で3パットしてしまい、しびれる最終ホールを残しながらも、イタリアのフランチェスコ・モリナリを2アップで退けた。
44歳でタイ出身のジェイディーは今季出場した20に及ぶ欧州ツアーの大会すべてで予選通過を果たした(昨季最終盤の4戦でも決勝ラウンドに進出している)。今季の「ノルデアマスターズ」では、欧州ツアー6勝目を挙げている。
タイトル防衛へ向け理想的なスタートを切ったマクドウェルは、ゴルフに対するコミットメントや自身のキャリアにおける大いなる目標を、新たに設定し直したところだ。
先月、グレンイーグルスで開催された「ライダーカップ」のシングルス初戦で、3ダウンから逆転でジョーダン・スピースを破った北アイルランド出身のマクドウェルは、この水曜日にまた初戦を担うことになったが、先週の雨で短縮された「ポルトガル・マスターズ」を制し波に乗るアレキサンダー・レビを相手に、一度もトラブルに陥ることはなかった。
初めの6ホールで4バーディを奪ったマクドウェルは序盤から余裕のリードを築いた。13番でレビがバーディを取って望みをつないだが、マクドウェルは15番で決定的なバーディを奪ってこのホールを分け合い、続くホールで3&2の勝利を確定させた。
今季は「アルストム・オープン・ド・フランス」でタイトル防衛に成功し、グレンイーグルスでは3戦全勝を飾ったマクドウェルだが、昨年に結婚し、8月には初めて父親になったこともあって、ここ最近は完全にゴルフに集中できていなかったことを明かした。
「どれだけ深くゴルフに傾倒できるかということについて、転換期を迎えているんだ」と、2010年に「全米オープン」を制した35歳のマクドウェルは述べた。
「ここ2年はそれまでほどゴルフに集中できていなかったけれど、それなりの理由があってのことなんだ。結婚して子供を授かるというのは、誰にとっても人生で特別な時期だからね」
「でも、僕はこれまでよりも努力できると純粋に信じているし、その点については一皮むけた気がするよ。自分がもっとメジャーで勝ちたい、もっと世界中の大会で勝ちたいと思っていることを悟ったし、これまで長い間なかったほどゴルフに集中できている」
「今週の結果にかかわらず、今季の終盤戦を来年に向けた飛躍のきっかけにしようと思っているし、これまでにないほど強いやる気がみなぎっているんだ。本当に、キャリアの全盛に差し掛かっていると感じているし、新たなレベルへとステップアップし、これからの5年、8年にかけて集中力を110パーセントに高める準備はできている」
マクドウェルは、特に飛距離が数段に優れている相手と対戦する際、自身を劣勢に置いてしまう悪癖があったことを明かした。
世界ランキング18位のマクドウェルは、例えば全長7458ヤードのバルハラで行われた「全米プロゴルフ選手権」でロリー・マキロイと相対する際などは、アイアンショットが超人的な冴えを見せる必要があると信じている。
「一歩引いて、“これは自分の週にはならないな”と考えなければならないことはあるけれど、これからも大会はあるわけだよ」とマクドウェル。「僕はゴルフコースを乗り切る上で(飛距離ではない)別の武器を持っているんだ」。
それはオーガスタナショナルのようなコースでも同じだ。マクドウェルはこのコースで開催される「マスターズ」に7回出場し、5回の予選落ちを喫している。
マクドウェルは「何であそこでは駄目なんだろうって、そんなの古典的なマイナス思考だと思わない?これまでは自分に非があり過ぎたんだ」と付け加えた。
「だからこそ、スポーツ心理学士に身銭を切って、そういった想念を頭から取り払うんだ。ザック・ジョンソンはショートヒッターだけど、あそこで勝っているよね」
「ライダーカップ」でマクドウェルのパートナーだったビクトル・デュビッソンも3&2でスペインのパブロ・ララサバルを下したが、チームメートだったジェイミー・ドナルドソンとスティーブン・ギャラハーは初戦を落とし、ヘンリック・ステンソンはジョージ・クッツェーとの勝負を引き分けた。
グレンイーグルスで欧州代表の勝利を確定させるポイントを獲得したドナルドソンは、出だしの6ホールを4アンダーで回った2006年の大会王者ポール・ケーシーに2&1で敗れ、ギャラハーは7バーディを奪ったアイルランドのシェーン・ローリーに3&2で敗れた。
「最高の勝利だ」とケーシー。彼は第一子の誕生直後に行われた先月の「KLMオープン」で優勝しており、世界ランキングのトップ50復帰を果たそうとしている。
「ジェイミーはここのところの連戦で疲労があったのだろうけれど、いかにすばらしいゴルファーであるかは『ライダーカップ』でのパフォーマンスが証明している。トリッキーなことになるだろうとは思っていたけれど、僕はすばらしいプレーができたよ」
「ライダーカップ」米国代表のスター選手であるパトリック・リードは、デビューを飾ったライダーカップでは無敗を誇ったが、スウェーデンのヨナス・ブリクストとの初戦に2&1で敗れた。一方、オランダのジュースト・ルイテンは18番でフィンランドのミッコ・イロネンとの接戦を制した。
「僕らは2人とも堅調なプレーをしたけれど、終わってみれば何も生み出していないという、ついてない日だったね」とリード。「6番で短いパットを外したのだけど、それが今日一日を物語っていたようだね。パットを左右に外したんだ」。
4つのグループの上位2人がベスト8へ進出する。グループステージでケーシーとドナルドソンとの対戦を残しているリードには、まだ土曜日に行われる準々決勝へ進出するチャンスは残されている。