A.カニサレスが僅差で首位に
BMW PGA選手権3日目、髄膜炎を患って以来のトーナメント出場となったスペインのアレハンドロ・カニサレスが、ライダーカップのスター選手リー・ウェストウッドに1打差をつけて首位に立った。
カニサレスは上がり2ホールで連続バーディを奪い「68」。ウイルス性の髄膜炎と診断されてボルボ中国オープンを途中棄権して以来の出場となった今大会で、自身2度目のヨーロピアンツアー優勝を目指す。4度のライダーカップ出場を果たしたホセ・マリア・カニサレスを父に持つアレハンドロは2006年に自身3度目のアフィリエイトメンバーとして出場したロシアオープンで優勝した。だが今週はより大きな野望を掲げている。
「今はただクラブを振ることができるだけで幸せだよ」と30歳になるカニサレスは言った。彼は病を患った際、韓国から中国へと移動し北京の病院で治療を受けてから帰国した。「火曜日の練習ラウンドは3週間ぶりの18ホールだったからとても疲れたよ。だから今週どうなるか全く予期できなかったが、いまはとても調子が良いから嬉しく思っている」「時々頭に変な感覚を覚えるときもあるけど、医師はそれは普通のことだと言っているよ」
一方、最近フロリダに移り住んだ世界ランキング12位のウェストウッド。もし彼が故郷のイングランドで20大会ぶりに出場したヨーロピアンツアーの最も重要な大会で優勝することになったら、それは皮肉なものだと認めた。
快晴のウェントワースクラブで「67」で回り通算8アンダーとしたウェストウッドは1打差で最終日に挑む。「まだ優勝への道のりは長いけど、もし優勝することになるとしたらそれは皮肉なことだね」と昨年12月にアメリカに移り住み、以来ショートゲームに著しい成長を見せているウェストウッドは語った。「優勝できたら素晴らしい。でも上位は混戦状態だから今日よりも良いプレーをしなくてはならない」「自分自身のスイングの調整がうまくいっているよ。距離も出ているし方向性もいいからたくさんスコアメイクのチャンス生まれているね。今日はこれまでで最も良いゴルフができた日に数えられるね」
「ギャラリーたちのたくさんの笑顔が見られて、拍手と賞賛をもらった。ここではとてもたくさんの応援をもらえているよ。今日は特にね」。ウェストウッドは過去、コリン・モンゴメリーに敗れた2000年とルーク・ドナルドにプレーオフで敗れた2011年の2度この大会で2位となっている。しかし2000年にこのコースで開催された世界マッチプレーでは優勝しているのだ。
40歳となる彼は、この大会での勝利は彼のキャリアにとって最も大きな勝利となるかという問いに、「トップ3には入るだろうね。2009年のドバイはあの年に賞金ランキングでもトップになったから最も大きな優勝だったと言える。また1997年にオーストラリアでグレッグ・ノーマンをプレーオフで破って優勝したオーストラリアオープンも大きな優勝だったよ」と語った。
イタリアのマッテオ・マナッセロはスコア「69」、スコットランドのマーク・ウォーレンは「70」で回り通算7アンダーで3位タイにつけている。そしてそのあとを1打差でこの日「69」で回ったアイルランドのシェーン・ローリーが追っている。マナッセロは2011年のこの大会でルーク・ドナルドと最終組を回ったが、結局7位に終わっている。またウォーレンは先日のスペインオープンで上がり6ホールで3ボギーを叩きプレーオフ進出を逃した苦い経験を忘れたいところだ。
「(もし勝てれば)とても大きな意味があるね」とウォーレン。「これは僕たちにとってとても主要な大会で、メジャー大会以外では最も大きな大会だ。僕のキャリアにとってこの大会は世界レベルのものだね」
通算5アンダーのスペインのセルヒオ・ガルシアは首位に4打差で8人の上位グループに入っている。同じく5アンダーで前半首位だったフランチェスコ・モリナリは5ホールで3ボギーを叩いたがそこから復調し、バックナインを「34」としてこの日のスコアを「73」とした。「今週はタフな戦いになると思う。でも日に日に調子は上がっている。だから最終日にピークを迎えられたらいいね」とガルシア。「疑う余地もなく、ここではみんなが僕にゴルフをしやすくしてくれているよ。ギャラリーの皆さんには言葉もないくらいだよ。彼らはとても素晴らしい。どのティグラウンドでも、グリーンでもいつも僕を応援してくれている。感謝のしようもないくらいだ」
スペインのミゲル・アンヘル・ヒメネスは自身600戦目の大会出場だ。彼は「67」で回り首位から5打差の通算4アンダーとしている。