涙の惜敗から一年 雪辱に燃える長崎大星「ずっとこの試合のためにやってきた」
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 事前(28日)◇テ・アライリンクス サウスC(ニュージーランド)◇6842yd(パー71)
UAEで行われた前年大会は、長崎大星にとって今も苦い記憶として残る。夢の舞台まであと一歩に迫った1年前を「人生の中でも一番悔しかった試合でした」と振り返った。
初出場ながら5打差の単独首位で迎えた最終日。メジャー「マスターズ」と「全英オープン」の切符がかかる大一番で緊張は最高潮に達した。「74」とスコアを落としてフィファ・ラオパクディー(タイ)に並ばれ、勝負の行方はプレーオフへ。3ホールに及ぶ激闘の末、敗れた長崎は涙を流し、その場に崩れ落ちた。
「あれから一年間、ずっとこの試合のためにやってきたって言ってもいいと思う。優勝を目指して頑張りたい」。17歳の目は、1年前の雪辱に燃えていた。
今年は海外の試合に出場する機会も増えた。1月には日本勢最年少記録となる16歳103日でPGAツアー「ソニーオープン」に出場。松山英樹と練習ラウンドを回る機会にも恵まれた。「やっぱりPGAプレーヤーは攻めるところはすごい攻めて、守るところはすごい守るっていう、メリハリのついたプレーをしていた」。世界トップクラスのプレーを目撃し、スコアを作るためのマネジメントを肌で学んだ。
6月にはイングランドのロイヤル・リバプールゴルフクラブで行われた「全英アマ」にも出場。その中で見えた課題に一つずつ向き合い、克服してきたという。「前まで曖昧だった番手の距離感をより明確にさせて、2、3ヤード刻みでアイアンとかもコントロールできるようになってきましたし、全体的に調子も技術も上がってきてる」と成長を実感する。
海沿いの砂丘に広がる当地はOBゾーンこそないものの、フェアウェイの両サイドにはブッシュやバンカーが待ち構える。「バンカーに入っちゃうともう出すだけというか。人の足跡に入っちゃうんで、出しようもないぐらい難しい。ティショットとかミスしてしまって攻めたらダボ・トリになってしまう。ボギーで無理そうなところは抑える安全策も取っていけたら」と培った経験で得た“攻守のメリハリ”を生かしたいところだ。
今年は兄の煌心も初出場する。「兄も初めてのリンクスコースだと思いますし、初めてのアジアアマだと思うので、お互い切磋琢磨してプレーできたら」。兄弟そろって挑む大舞台。誰であろうと、世界最高峰へとつながる一枚の切符だけは譲れない。(ニュージーランド・オークランド/安平賢太郎)