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コースメンテナンス
【鈴木規夫氏インタビュー】トーナメントコースの仕上げ方

2012/05/23 16:53

――トーナメント開催に向けて、どんな作業が必要だったのでしょう?

今年のダイヤモンドカップゴルフは、千葉県木更津市にある「ザ・カントリークラブ・ジャパン」で初開催される。もともと法人会員向けだったコースを、トーナメント開催に向けていかに仕上げていったのか? JGTOの鈴木規夫理事に、約3年の月日をかけて行ったセッティング作業の内幕と共に、大会の観戦ポイントを伺った。

3年前、最初にこのコースを見たときはトーナメントが開催できるのか半分半分といったところでした。もともと距離も短ければ充分な練習場もない状態。トーナメントが選手を育てるというけれど、その要因はなにかといえばコースだけでなくいかに練習環境が良いかということ。選手はトーナメント中に迷う。それをトーナメント中に調整できるかがポイントになってくる。練習場でもコースと同じように打てなければダメなんです。そこで、数億円をかけて長さ360ヤード、幅150ヤードで40打席作り、その横にアプローチとバンカー練習場、さらにパッティンググリーン2面を作りました。すばらしい練習場です。

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それから、コースの難易度を上げました。これには絶対的な距離、フェアウェイの幅、ラフの深さ、グリーン周辺の状況とグリーンの硬さ・スピードを考慮しないといけない。選手の思考力を刺激しつつ、ここでファンに拍手を貰う、喝采を受けるというギャラリーに見せるところも意識する。緩急をつけるといいますかね。それに枝が生い茂って陽が当たらない、風が入らない、ギャラリーが見にくいという問題もあったので、コース内の木をだいぶ剪定しました。

――具体的な変更ポイントを教えてください

ティグラウンドを変えたのは1番、3番、4番、7番、8番。インでは11番、14番、15番、17番。トータルで200ヤードくらい伸ばしています。1番はスタートホールなのでギャラリーに見せなきゃいけない。右前、後方にスタンドが建てられるようにティを後ろに持っていきました。3番、7番は50ヤードずつティを後ろに引っ張りましたね。太平洋クラブ御殿場コースの14番のように、杉並木の間をストレートボールで打っていかないといけなくなった。8番はティを左に20ヤードくらい振って、ギャラリーを右前にためる。コースがS字になっているので、ティショットは若干フック目にいって、2打目はフェアウェイの細いところから砲台グリーンに向けて打つ。一見易しいけれど、キーホールになると思います。

それから11番も40ヤード下げました。アゲンストだとフェアウェイぎりぎりかな。(注:ティからフェアウェイまでが254ヤードある)これも厳しいところです。16番はグリーンを後方に55ヤード下げて392ヤードとしたけど、風向きによってはティショットでグリーン手前まで来るかもしれない。終盤だしテレビ映りも考えました。

――グリーンに関してはいかがですか?

これは3年前から計画しているので、スピード・硬さともに素晴らしいコンディションになりますよ。最初は(速さが)9フィートしかなかったものが、試合では11フィートから12フィートは楽にいくでしょう。硬さもしっかりあって、フェースが均一で正しく転がってイレギュラーがない。非常にきめ細かなフェースになっていると確信しています。トーナメント開催が決まってからすぐにJGTOのメンテナンスアドバイザーである長渡誉一(ながとよいち)氏を派遣しています。3年間掛かりっきりでやっているので素晴らしいグリーンに仕上がっています。

――セッティングの醍醐味とはなんでしょう?

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鈴木規夫
1951年10月12日生まれ。72年にプロ転向後、79年「太平洋クラブマスターズ」などツアー通算16勝。81年には「マスターズトーナメント」にも出場経験を持つ。現在はJGTO(日本ゴルフツアー機構)の理事として、海老沢勝二会長をサポート。現場ではツアープレーヤーの視点でも大会実施に貢献している。

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