ジャンボさんは「おめでとう」と言わないだろうな… 7年ぶり復活V池田勇太が見せた矜持
◇国内男子◇ACNチャンピオンシップ ゴルフトーナメント 最終日(8日)◇三木GC(兵庫)◇7004yd(パー71)◇曇り(観衆4316人)
今は亡きジャンボさんのことを思うと、体の奥から熱いものがこみ上げてきた。40歳の池田勇太が2019年「ミズノオープン」以来のツアー22勝目を挙げ、7年ぶりの復活優勝に涙を浮かべた。「もちろんうれしさがないと言ったら嘘だけど、ホッとした部分とこれでやっとリスタートできた部分。ここからが本当の始まりなんじゃないかな」と振り返った。
この日は、昨年12月に亡くなった通算113勝(日本ツアー通算94勝)の尾崎将司さんの勝負カラーである紫色のウェアとサンバイザーを着用した。クラブを握る時、フェアウェイを歩く時、ギャラリーの歓声に応える時、心にはいつも尊敬してやまない大先輩がいた。
「きょうに限らず、ほぼ毎日(ジャンボさんのことを)思っているし、考えている。だけど、ジャンボさんはきっとこの優勝を『おめでとう』とは言わないだろうな。『やっとか』と言われるような気がするし。『俺のまだ4分の1だろ』みたいな感じで言ってほしいし。もうその言葉はもらえないけど」
正規の18ホールは1イーグル3バーディ、1ボギーの「67」でプレーして通算14アンダーでホールアウト。古川龍之介、岡田晃平とのプレーオフは1ホール目で岡田が脱落。古川を4ホール目で退けた。勝負を決めた4ホール目は左手前ラフからウェッジで手前1mにつけてパーセーブ。派手なガッツポーズを天国に届けた。
「最後のパットは俺ももっと震えるかなと思ったけど、意外とすんなり打てちゃいました。ビビるかなって思ったんですけど、意外とビビらずでした」
昨季シード復帰を果たしたが、それまでは顎偏位症(がくへんいしょう)に苦しみ、予選落ちも続いた。「このまま落ちぶれていくとか、駄目になるのかなとか。要はこの先どうなっちゃうんだろうっていうクエスチョンみたいなのが多かった。成績も出せないし、シードも落としてQT(予選会)なんかやっている頃なんかもう最悪でした。自分が思ったように力が出せないって、体が動かせないって、本当にこんなにつらいんだと」。前週まで年間ポイントランキングは31位と理想からも程遠かった。
プレーオフを戦った古川が25歳、岡田が24歳と若手が勢いづく男子ツアー。「こういう若い選手たちと戦っていくためには、今まで以上の努力と今まで以上の時間を費やして戦っていかなきゃいけない。新しい自分自身のゴルフ、池田勇太のゴルフを作り上げている最中」。生涯獲得賞金歴代7位(13億9615万7819円)のベテランがシーズン終盤で存在感を見せつけた。(兵庫県三木市/玉木充)