ジャンボさん追悼の紫シャフト 池田勇太の復活優勝はあるか
◇国内男子◇フォーティネットプレーヤーズカップ 3日目(24日)◇成田ヒルズCC(千葉)◇7105yd(パー71)◇雨(観衆983人)
160yd残った最終18番の2打目で、池田勇太が手にしたのはPWだった。雨水を含んだ芝からのフライヤーを計算。グリーンの奥側に立つピンに向かったボールは手前7mで止まった。「あと3ydくらい先でキャリーすれば、ダウンヒル(下り傾斜)に当たってピンまで寄ったはずなんだけど…」。思いのほか長く残った下りのフックラインを丁寧に読む。繊細なタッチでカップに沈めると、手応えたっぷりにこぶしを突き上げた。
上がり2ホールで、この日3度目の2連続バーディを決めた。「66」で25位から通算7アンダーの9位に浮上。「(上位との差を)もっと詰めておきたかった」とこぼすのは、2019年「ミズノオープン」以来の勝利を求めているからに他ならない。「予選を通ったとか、トップ10に入ったとか、それは過程のひとつとして大事なことかもしれない。でも、頂点に上り詰めるためにはどうしたらいいかを考えて」、7年が経った。
3季ぶりの賞金シード復帰を決めた昨年の終わり、4年近く苦しめられた顎偏位(がくへんい)症の治療が完了した。「けがをしていたところはもう問題ない」と言える。「でも、やっぱり自分も40歳。若い選手との(体力面の)差を埋めるために時間を費やさないといけない」。準備の進め方はひたすらに球数を打っていた若かりし頃とは違う。スタート前はボールを打ち始める前のウォーミングアップが1時間半、プレー後のケアはストレッチを含めて2時間かかる。「あと10年、レギュラーの世界で戦おうと思うとそれが大事」だと理解している。
先週の「日本オープン」の直前、1Wと3Wに装着する待望のシャフトを手にした。グラファイトデザインが9月に発売した「ツアーAD EK」で、基調色のグレーではなく、紫色をした一本は池田のためのカスタムモデル。昨年12月に亡くなった尾崎将司さんが愛したカラーリングだ。
「もうちょっと早く使いたかったけれど、なかなか(望んだ)色合いが出なかったんだよね。昔のジャンボさんは青紫色っぽくて、日の当たり方で(見た目の)色が変わったんですよ。でも、当時の塗料が今はなかなか手に入らないから」とメーカー側の苦労を語る。「グラファイトデザインさんが僕の相談に乗ってくれて、試行錯誤して作ってもらえたことがすごくうれしい」と感謝した。
ホールアウトした段階では「たぶん、上(首位)との差は5打、6打くらいになると思う」と最終日を見据え、「最後まであきらめずにやりたい。一つでも多くバーディを獲って結果がどうなるか」と言った。最終組がホールアウトしたのはそれから約2時間後。単独トップに立つ藤本佳則との差は3ストロークだ。(千葉県栄町/桂川洋一)