首位に浮上し、2週連続優勝もいよいよ現実味を帯びてきた！

首位と2打差で迎えた16番。269ヤードと距離が短いパー4で、昨日の宮里藍はアゲンストの風を受けてU3で刻むことを選択したが、この日はほぼ無風。「私の飛距離だと（左の）バンカーを越すのがギリギリだけど、攻める価値はあると思った」。ドライバーで放ったティショットは、バンカーの先にキャリーすると、グリーンまでスルスルと転がり上がった。

イーグルパットは12mのスライスライン。最初は上りで、カップ手前3mから下りとなる。「最低でもバーディが欲しいと思った」と振り返る宮里。ゆっくりと右に曲がりながらカップに近づく球を、宮里も思わず数歩歩きながら追いかける。「途中からラインに乗っているのが分かったので、気分的にも“ヨッシャ”って感じでした」。カップに沈んだのを確認して、宮里は右手で力強くガッツポーズを作った。

＜＜　下に続く　＞＞

「HSBC女子チャンピオンズ」3日目を、1イーグル3バーディ2ボギーの「69」で回った宮里は、通算7アンダーとして首位タイに浮上した。開幕戦を制し、この2戦目も最終日を誰よりも優勝に近い位置で迎えることになる。

「先週、勝っている分プレッシャーもあるだろうし、期待してくれる人も多いと思う。18ホール、色んな流れがあって、揺れ動いたりすると思うけど、ぐっと掴まえてコントロール出来ればいい」。ゴルフの好調さと、精神の落ち着きは、出場メンバーの中でも随一だ。

最終組で争うのは、同じく7アンダーで並ぶジュリー・インクスターと、2打差で追う上田桃子。「（桃子とは）最終組で一緒に回ったことは一度もないので、最高です」という宮里。「もちろん疲れはあるけど、みんな疲れているのは一緒。私は自分が出来ることをコースでもやっているし、今夜はおいしいものを食べて寝ます」。日本のゴルフファンにとっては、見逃せない最終日となるはずだ。