2022/11/11キャロウェイ特集

素材でクラブ性能はどう変わる? コスト度外視で開発したシリーズとは

ゴルフクラブの開発において、技術の進化とともに各メーカーがしのぎを削っているのが、製品のパフォーマンスを高められる素材を見つけ出すことだ。販売するからには素材や加工にかけるコストの制限は常につきまとう。そこを度外視すると、クラブの性能はどこまで高められるのだろうか? キャロウェイゴルフは2022年、その答えを求めるチャレンジに打って出た。ハイグレードな素材を用いて、最高峰のクラブを作り上げることへの経緯と思いに迫る。 クラブ素材が秘める重要性 近年のゴルフクラブには、開発コンセプトや求めるテクノロジーによってさまざまな素材が用いられている。「実現したいテクノロジーによっては、“素材ありき”の部...
2022/08/15日本シャフト特集

イメージが広がるからこそ楽しい 写真家・宮本卓が語る仕事とゴルフ

技術、クラブ、ウェア……。ゴルフのこだわりは人それぞれ。そこに様々な楽しみ方が存在するからこそ、幅広い層に愛され続けているのだろう。日本シャフトは完全国内生産でスチール、カーボンの両方を扱うこだわりのシャフトメーカー。新たなシャフトを生み出す開発陣から、それを手にするエンドユーザーまで、同社の周りには“こだわりの人”にあふれている。 数々の名場面を収めてきた「マスターズ」の思い出 ゴルフのカメラマンと聞けば、多くの人はトーナメントを思い浮かべるだろう。海外メジャーのような大舞台でスター選手がショットを放てば、ギャラリーの歓声、どよめきと同時に無数のシャッター音が響く。日本を代表するゴルフ写真...
2022/09/01フットジョイ特集

唯一無二の“ツアー仕様”スパイクレスの地位を確立するまで

近年、スパイクレスシューズが目覚ましい進化を遂げている。かつては気軽にゴルフを楽しむカジュアル派のアイテムだったが、世界の主要ツアーでNo.1のシューズ使用率を誇る「フットジョイ」がその概念を変えた。 ツアー仕様のスパイクレスという新ジャンルを開拓し、プロから高い信頼を獲得することで、ツアーでの使用者が急増しているのだ。 新ソール形状によりスパイクを超えるグリップ力へ スパイクレスのゴルフシューズが一般に認知されたのは約30年前のことだが、長らくプロや競技志向のゴルファーからは敬遠されてきた。コースや練習場の行き帰りに履き替える必要がない気軽さが一般ゴルファーに受け入れられる一方で、ゴルフシュ...
2022/08/18Sansan特集

音楽とゴルフ 常識を疑う“仕掛け人”が生んだ観戦スタイル

青空の下で響き渡るミュージック。人気アイドルグループのコンサート…。どちらも野外のライブイベントではなく、男子ゴルフツアーが開催されているゴルフ場での光景だ。「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント2022」では数々の新しい試みをツアーに導入し、いまや国内屈指の盛り上がりを見せている。 Sansanが掲げる企業ミッションは『出会いからイノベーションを生み出す』。音楽とゴルフツアーはどのように出会い、いかなる相乗効果が生まれたのか。その“仕掛け人”である九州朝日放送(KBC)東京支社長兼総合編成部長の大保一(だいぼ・はじめ 敬称略、以下同)に、実現へと至るまでを聞いた。 No.1の大会...
2022/09/12日本シャフト特集

流行よりも本質を 干場義雅がこだわるグレーのスーツとメイド・イン・ジャパン

ちょい不良(わる)オヤジ――。かつて一世を風靡したこの言葉を世に広めたのが、当時ファッション誌「LEON」の編集者だったファッションディレクター・干場義雅(敬称略、以下同)だ。現在はウェブマガジン「FORZA STYLE」の編集長を務めるほか、さまざまなブランドのプロデュースを行うなど多方面で活躍している。50歳を前にゴルフにもハマり始めたという男のこだわりと、そのルーツに迫る。 ファッション系のバイトから編集者の道へ 父と祖父がテーラーという家庭に育った18歳の干場は、人一倍ファッションに強い興味を持つ若者だった。アルバイト先は渋谷の有名アパレルショップ。さらに割のいいバイト感覚で、ファッシ...
2022/10/11日本シャフト特集

清水宏保がこだわり抜いたスケート靴と理想のゴルフクラブ

技術、クラブ、ウェア…。ゴルフのこだわりは人それぞれ。そこに様々な楽しみ方が存在するからこそ、幅広い層に愛され続けているのだろう。日本シャフトは完全国内生産でスチール、カーボンの両方を扱うこだわりのシャフトメーカー。新たなシャフトを生み出す開発陣から、それを手にするエンドユーザーまで、同社の周りには“こだわりの人”にあふれている。 金メダルへと導いた大きな決断 1998年「長野五輪」スピードスケート500mの金メダリスト・清水宏保(敬称略、以下同)は、時代の変化とも戦ったアスリートだった。長野五輪の直前にはスケート靴が進化し、トレーニングは根性論から科学的なものに変わっていく。そのなかでも変わ...
2022/10/13Sansan特集

「出会い」のプロフェッショナルに聞くゴルフが秘める魅力

ゴルフというスポーツにはラウンドを通じて人と人の結びつきを強め、関係性を深められる魅力がある。「出会いからイノベーションを生み出す」ことをミッションとするSansanは、ゴルフを「出会い」創出のための重要なツールとしている企業のひとつで、2021年からは国内男子ツアー「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント」も特別協賛する。どのようにゴルフをビジネスへとつなげてきたのか。同社執行役員でビジネス統括本部副本部長の田中陽(敬称略、以下同)に、ゴルフが秘める可能性について聞いた。 ゴルフコンペを主催する理由 「それ、早く言ってよ~」 俳優の松重豊さん演じる営業部長が、パット練習に興じる社長...
2022/11/22テーラーメイド特集

革新からスタンダードへ No.1ゴルフメーカー の新技術を生み出す源泉

ゴルフクラブの世界は日進月歩。メーカー各社による独自テクノロジーが次々と生まれ、当初は画期的と思われた技術や製法は数年もするとごく当たり前のものに変わり、さらなる進化を遂げるための基盤になっている。 さまざまなメーカーが開発競争にしのぎを削るなか、常にトップランナーとして新たなテクノロジーを発信し続けているのが、国内ドライバー販売数No.1を誇るテーラーメイドだ。これまでクラブ史に刻まれてきた主な足跡をたどりながら、その開発理念に迫る。 「革新的」を求めるアイデンティティ テーラーメイドは創業した1979年、ウッドといえば文字通り木製のパーシモンが全盛だった時代に、世界初となる金属製の「メタル...
2022/08/05Sansan特集

藤田寛之の一期一会 出会いが紡ぐストーリー

小学6年でゴルフを始めた藤田寛之は、中学生のときに地元・福岡で行われた「KBCオーガスタ」で初めてプロのトーナメントに触れた。2014年には涙の初優勝を飾った思い入れのある特別な大会は現在、「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント2022」と名称を変え、2回目の開催を迎える。 Sansanが掲げる企業ミッションは『出会いからイノベーションを生み出す』。藤田もまた、数々の出会いを糧とし、成長へとつなげてきた。長いキャリアにおいて出会いの大切さを身にしみて知る藤田が、ゴルフ人生における大切な出会いを語る。 プロの道へ導いた「リトル・コーノ」との出会い かつて日本を代表するプレーヤーと...
2022/12/01ダンロップ特集

人気ブランドが本格始動に入ったリブランディング戦略とは

ブランド発足から20年となる2019年冬、住友ゴム工業の「ゼクシオ」が「Re-Branding(リブランディング)」宣言を行った。時代の変化とともに、楽しみ方や求めるものが多様化した今、コース内外でさまざまな“体験価値”を提供することでゴルフの新たな楽しさと「ゼクシオ」の魅力を再発信する試みだ。 宣言直後からコロナ禍に入ったことにより、リアルイベントの開催を控えていたが、22年に入り徐々に再開。リスタートを切った新しい「ゼクシオ」の取り組みと、今後の展開に迫る。 一新されたロゴに込められた意味 老舗ブランドや人気ブランドであっても、そのイメージを守りつつ、ファン層を広げるためにリブランディング...
2022/09/02ダンロップ特集

「人気NO.1ブランド」の新たな挑戦と原点回帰 プロとアマに“やさしさ”を提供する

2000年の発売以来、長らく国内売り上げナンバー1を誇ってきたブランドがある。ダンロップスポーツ「ゼクシオ」シリーズだ。初代から現行の「ゼクシオ12」までのシリーズと、11代目が登場した時に、新たなシリーズとして「ゼクシオ エックス」が誕生している。 すべてのモデルで貫いてきたコンセプトは、「飛び」「打ちやすさ」「爽快感」。その中で「1球目からナイスショットが出る」、「キャリーで気持ちよく飛ぶ」クラブを目指して開発してきた。 伝統を受け継ぎながら、新たなゼクシオを生み出す関係者の言葉を通じ、ゼクシオの歴史と今、そして未来に迫る。 「ゴルフを始めたときから『ゼクシオ』」の女子プロも プロゴルファ...
2022/09/09ダンロップ特集

成長を継続するための新シリーズ創出 ロングセラーブランドの変革

2000年に発売された「ゼクシオ」は、2年に一度モデルチェンジを行う。原則的には1モデルでの展開にこだわってきた。その禁を破ったのが20周年の節目となった2019年。「ゼクシオ 11」とともに、「ゼクシオ エックス」がラインアップされたのだ。 初代モデルが誕生して以来、長らく国内売り上げナンバー1を誇ってきた人気ブランドの変革。その決断に至るまでの背景と現状に迫る。 新シリーズ誕生のきっかけは「新たなユーザーの獲得」 「『ゼクシオ』をもっと幅広い層に広げるため、何かしなければという思いは以前からありました。ただ、『ゼクシオ』として新しいモデルを出すことで、既存のユーザーから『これはゼクシオじゃ...
2022/09/22ダンロップ特集

すべてのゴルファーのために―― 12代目に至る進化の系譜をたどる

2000年の誕生から12代にわたりモデルチェンジを重ねてきた「ゼクシオ」。22年間にわたるロングセラーの系譜をたどると、時代の背景を問わずにゴルファーから高い支持を受け続ける理由が見えてくる。長らく国内売り上げナンバー1を誇る、人気ブランドの進化の歴史に迫った。 初代モデルから追及を続ける3つの要素 ゼクシオの最新モデル「ゼクシオ 12」、「ゼクシオ エックス」のクラウンには、ヒール側後方部に「アクティブウイング」と呼ばれる見慣れない突起がある。スイング中の空気抵抗を利用してヘッド挙動を安定させ、打点のばらつきを抑える独自のテクノロジーだ。 「ゴルフクラブの空力性能というと、通常、インパクト付...
2022/11/25ダンロップ特集

「100年続くブランド」を目指して 次の20年に向けた再構築

ゴルフを取り巻く環境はこの数年で大きく変化した。SNSを開けば、若いゴルファーがおしゃれなウェアでプレーする写真や動画がたくさん出てくる。ゴルフを楽しむ層は2000年代初期に比べ、若年層や女性にも広がり、その楽しみ方も一気に多様化した。 そんな時代の変化のなか、20年に渡り国内売り上げナンバー1を誇った住友ゴム工業の「ゼクシオ」ブランドが、発売20年の節目に「Re-Branding(リブランディング)」を宣言した。国内のゴルフシーンはこれからどう変化し、そして「ゼクシオ」はどう変わっていくのか。最初の企画書を手掛けた「ゼクシオ」の生みの親とともに考える。 誕生当初のペルソナ像は“部長さん” 週...
2022/11/25キャロウェイ特集

“高嶺の花”だけではない 高価格モデルを送り出す狙いとは

ゴルフクラブには、素材や製法にこだわり抜いて作られた高価格のモデルが存在する。なかには通常の市販品よりもはるかに高額な設定もあり、魅力的だけれど手を出せない…といったゴルファーは少なくないだろう。 キャロウェイゴルフは近年、そんなハイエンドモデルを数量限定で販売しているメーカーのひとつ。同社の茂貫太郎(もぬき・たろう、敬称略、以下同)アジアプロダクトマネジメント シニアマネージャーに、コストを度外視したクラブ開発の戦略について聞いた。 高価格帯シリーズに追加された破格モデル 同社が2018年から展開するオデッセイ「トゥーロン パター」は、ステンレススチールを削り出して作られる1本あたり6万円超...
2024/08/26三菱ケミカル特集

タイガーも唸らせたプロ御用達シャフトの20年

日本ツアーはもとより、海外ツアーでも多くのプロが使用している三菱ケミカルのゴルフシャフト。世界最高峰の舞台PGAツアーでは、これまで何度もシーズン最多勝を獲得し、メジャー大会の舞台でも多くのプレーヤーがそのシャフトを手に戦ってきたのは周知の事実だ。 そんな三菱ケミカルのフラッグシップブランド「ディアマナ」が、2004年の誕生から20年を迎えた。炭素繊維メーカーである同社(当時三菱レイヨン)がカーボンシャフトの原料となるプリプレグ(未硬化状態の樹脂を含ませた繊維シート)の生産を開始したのは1976年で、シャフトの製造をスタートさせたのは翌77年からだった。 初期はゴルフ業界の黒子的な立ち位置 「...
2024/09/12フジクラ特集

クラブにこだわりをもつ青木瀬令奈がその性能に驚いたシャフトとその理由

20代の選手が圧倒的な力を見せつけている今季の国内女子ツアーにあって、青木瀬令奈がその勢力に一矢報いようとしている。プロ14年目の31歳で、2015年に獲得したシード権を守り続けているどころか、21年から3年連続でツアー優勝を遂げている。その青木が秘かに新兵器を準備しているという。藤倉コンポジットの新シャフト「SPEEDER NX VIOLET( バイオレット)」だ。 ■ドライバーのヘッドスピードが40.5m/sに伸びたワケ 青木のクラブセッティングは女子プロの中でも少し変わっている。何しろアイアンが8番と9番しか入っていない。ウッドが1、3、5、7、9番、ユーティリティ(UT)が5~7番、そ...
2024/11/01三菱ケミカル特集

大里桃子の復活Vを決定づけた変化とこだわり

変えるものと変えないもの――。女子ゴルフ界“黄金世代”の一人、大里桃子が6月の「宮里藍サントリーレディスオープン」で復活のツアー通算3勝目を飾った。 昨年は極度の不振に陥り、プロ転向後、初めてのシード落ちを経験。クラブを替え、球筋を変え、トレーニングを変え……。変化を恐れず、スランプを乗り越えた大里が変わることのない信頼を寄せ続けたのは、ジュニアのころから慣れ親しんだ三菱ケミカルのシャフトだった。 体調不良から始まった小さな違和感 不振のきっかけは一昨年、2022年の夏に遡る。トーナメント欠場には至らない程度の体調不良。試合と試合の間で数日、安静にすることで体調は戻ったが、小さな違和感を覚えた...
2022/12/21ダンロップ特集

ツアーレップが見た松山英樹が「スリクソン」で快挙達成するまで

テレビ画面の向こうの光景を、現実と捉えるまでには少し時間がかかった――。 2021年4月、日本は新しい週の朝を迎えていた。「いまだに信じられないような気持ち。本当に…こんなことがあるのかなって」。松山英樹が母国に初めて男子メジャータイトルをもたらした「マスターズ」。抱えてきた思いは、涙になってあふれ出た。 プロゴルフを支える多くのスタッフの中に、“ツアーレップ”と呼ばれる人々がいる。日本全国、世界各国で行われるゴルフトーナメントに足を運び、プレーヤーに自社メーカーのクラブやボールを供給したり、会場内で調整したりする“職人”たちのことだ。住友ゴム工業(ダンロップ)の宮野敏一(敬称略、以下同)は、...
2023/03/24ダンロップ特集

「ボールは1つ」つくる難しさと面白さにのめり込んだ開発者のこだわり

ゴルフボールは「特許の塊」といわれる。白いカバーはもちろん、内側のコア(中心部)にも多くの技術が注ぎ込まれているからだ。 同時に、開発者たちの試行錯誤や熱意も込められている。毎年のように生み出される新作の開発にあたる者はどんなことを考えているのか。 研究者気質で “つくる側”へ 直径4センチ強のゴルフボール。「クラブを替えてもボールは(基本的には)1つ。全番手に影響する」。住友ゴム工業スポーツ事業本部商品開発部の井上英高(敬称略、以下同)はそれがゴルフボール開発の面白さであり、同時に難しさであるという。 東京工業大学大学院で炭素繊維の研究をしていた井上は先輩に誘われてゴルフを始めた。「まったく...