米国男子ツアー

ストリートスタイルのゴルフシューズが一般ゴルファーに人気

2012/08/22 18:15
ストリートスタイルのシューズの先駆者となったフレッド・カプルス。今年の全英シニアでもお馴染みのスタイルで優勝した。(Phil Inglis/Getty Images)

ほとんどのゴルフ用品のトレンドは、ツアーでの使用がきっかけになる。しかし、スニーカータイプのシューズとなると話は別。その多様性が主にアベレージゴルファーに受け入れられており、それがしっかり数字として表れている。

ツアーで話題となる前に人気が出るゴルフ用品は非常にレアだ。キャロウェイゴルフのビッグバーサドライバーはその代表格。スパイクレスシューズもその一つだ。そして今、ストリートスタイルのシューズもその仲間入りをしているように見える。

フレッド・カプルスライアン・ムーアが、ストリートスタイルのゴルフシューズをファッショナブルにしているわけではなく、一般ゴルファーがそうしているのだ。フロリダをベースにしているゴルフ・データテックの最新データでは、オンコース、オフコースのゴルフショップにおけるシューズ販売の12.7%が、この手のジューズで占められているという。一方でPGAツアーでの使用率は5%以下にすぎないというから驚きだ。

ストリートスタイルのシューズがトレンドになっているのには、いくつかの理由がある。まず、ゴルフシューズはアベレージゴルファーよりもツアープロにとって、より重要だということ。プロゴルファーは、8時間から12時間という時間を、シューズをはいて過ごし、一週間で30~40マイルを歩くことになる。チャンピオンズツアーのサミー・ラケルズ、マイク・マックロー、ハワード・ツイッティやLPGAツアーのソフィ・グスタフソンが着用するバイト・サンダルのように、普通のタイプとは違うシューズもあるが、ほとんどのプロは、シューズ選びをメジャーで使うウェッジを選ぶようにシリアスに感じており、必要に迫られなければ変えることはないのだ。

一方、軽量シューズにはいくつかの利点がある。その重量こそが、これまで以上にプレーヤーにとって重要になっている。ここ10年間で一番変化したのはシューズの重さ。昔のシューズは32オンスほどの重さがあったが、いまでは殆どのシューズが、その半分くらいの重さしかないのだ。

軽量化している理由は簡単だ。もしゴルファーのストライドが1ヤードだとすると、1マイル歩くには1,760歩必要だ。そして、これを5倍かゴルファーが歩いたマイルでかけると、約9,000歩となる。毎歩あたり1オンスの重量をセーブしたとすると、ラウンドでは9,000オンス、または562.5ポンドもセーブしたことになるのだ。それが、木曜からスタートしたトーナメントとなれば、大きな違いとなるだろう。

しかし、スパイクレス型の軽量シューズがリリースされると、ツアープレーヤーに対するストリートスタイルのシューズの重さは売りにならない。多くのショップがゴルファーに対する訴求ポイントにしているオフコースでの使用もオプションとはなっていない。ソフトフパイクを製造するプライドスポーツ社のジョン・ホーマン副社長は、こう言う。「スパイクレス型シューズをはいていないゴルファーと言えば、それはツアープロだ。彼らのスイングはバランスがとれていてスムーズ。これらはスパイクレス型に合っているのに、彼らは履いていない。一方、一般的なゴルファーは安定感が必要なのだが…」。

全英オープンでは、優勝したアーニー・エルスを含めストリートスタイルのシューズを履いていたのは3人だけ。全英前の5試合では、その数は4、7、4、5、3足だけだ。

しかしアベレージゴルファーは、昨年から売り上げが倍増していることでも分かる通り、このストリートシューズ型を選択している。今後ツアーで、この手のシューズが流行るかはまだ分からない。しかし現段階では、ストリートタイプは一般的なゴルファーの頭の中でしか考えられていないようだ。そして、今はそれで十分なのだ。

米国ゴルフダイジェスト社提携
Used by permission from the Golf DigestR and Golf WorldR. Copyrightc 2011 Golf Digest Publications. All rights reserved.