小平智に待望の「PHANTOM 12」到着 平田憲聖にいじられるも…芥屋に「なんとか間に合った」
◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント◇芥屋GC(福岡)◇7293yd(パー72)
男子ツアー唯一ともいえる高麗グリーンに対して、多くのプロが毎年のように対策を講じて芥屋に乗り込んでくる。普段使っているパターとは全く違うタイプのヘッドを用意するケースは多く、小平智もスコッティキャメロンの最新マレット「PHANTOM(ファントム)12」を芥屋に充ててきた。
このヘッドと小平の出会いは、ことしの初めに遡る。 「1月にカールスバット(米カリフォルニア州)のスコッティキャメロンスタジオに行ったときに置いてあって、ずっと試してみたいって思っていたんですよ。その到着を心待ちにしていました」と語った。
一目でその顔の良さに惚れ込んだ小平だったが、なかなか日本ツアーへの供給が始まらず、やきもきする日々が続いていた。そんな中、一足先にアメリカでこのモデルを手にしていた平田憲聖から、「これっすよね」と自慢げにパターの写真が送られてきたという。小平は「ただの嫌がらせですよ(笑)」と、かわいい後輩とのユーモラスなやり取りを明かしながら、念願のヘッドが芥屋に間に合ったことを喜んでいた。
実際に練習ラウンドで試し、性能の良さに太鼓判を押した。小平がこれまで愛用してきたエースはインパクトで「パーン」と弾くタイプ。一方、PHANTOM 12は「若干もちっとする、柔らかい打感」が特徴だという。「芝が長いグリーンで、自分で普段の感じでパーンと打ってストロークの強弱を調節しようとし過ぎると、どうしても躊躇(ちゅうちょ)したりしてミスになりやすい。でも、このパター本来の転がりの良さがあれば、パター任せで自然に押し出していける。その安心感は非常に大きいです」
会場で同ヘッドをテストしていた佐藤大平も、性能の良さに食いついていた。特に驚いたのは、パターを地面に置いたときの「据わりの良さ」だ。 「構えた瞬間にペタって地面にひっつく。まさに『メルト・ザ・グランド(地面に溶ける感じ)』ですね」 と表現するほど。 「ポンと置いただけで自然と良いポジションで構えられ、圧倒的にアドレスがしやすい。我々プロだけでなく、アマチュアの人からしても絶対にいいポイントだと思います」
さらに、フェースに施されたチェーンリンクミーリング加工により、ボールの「横ズレ」が非常に少ないことも指摘した。「サイドスピンが少ないから、芝目が強いグリーンでも真っ直ぐ転がりやすい。2~3mの距離でミスヒットをしてもブレが少ない。それだけカップインする可能性が高くなります」と語り、実戦での強さを強調した。
前作「PHANTOM X 12」の高慣性モーメントはそのままに、構えやすさと操作性が上がったPHANTOM 12は、男子プロの反応も上々のようだ。その動向を、今後も注視していきたい。(福岡県糸島市/服部謙二郎)