「いま僕はココにいます」Vol.201イングランド編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・32歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はイングランドにいます。
冬のあいだの手首の手術とリハビリを経て、久々に欧州にやってきました。今週は7月1日(火)に英国で36ホールをプレーします。メジャー最終戦「全英オープン」(北アイルランド・ロイヤルポートラッシュGC)の出場権をかけた最後の戦いに参加します。
4つある会場からことし選んだのはロイヤルシンクスポーツというリンクスコース。お隣にあるロイヤルセントジョージズと同様、これまでに全英を開催してきた1892年創設の歴史あるコースです。
昨年この最終予選会を突破した、リバプール近くのウェストランカシャーGCは選びませんでした。だってロイヤルシンクポーツ、一度も回ったことなかったから、どうしても来てみたくて…。故障からの復帰途中で、メジャー切符がかかる大切な試合と分かっていつつ、ゴルフコース好きの血がここで騒いでしまいました。
とはいえ、実益も兼ねていて、久々の欧州ではまず太陽を見たかった。曇り空のイメージばかりの英国も南部は天気が良い日が多いのです。ドーバー海峡を見渡す街の景色も最高で、フィッシュアンドチップスもさっそく食べてきました。
そしてなにせ、地面の硬いリンクスコースでプレーして、手首の具合を見る必要があります。8月末のDPワールドツアー(欧州ツアー)にカムバックを目指す過程で、状態を確かめたいと思っています。
6月の日本ツアー「BWM日本ツアー選手権 森ビル杯」で復帰し、その2週後にツアー外の1日競技「JOYXオープン」で優勝しました。皆さんから「安心しました」「完全復活ですね」というありがたいお祝いコメントもいただけましたが、まだまだ復活には程遠いところにいます。パットがよく入ってくれたおかげで、久々にうれしい気持ちを味わえました。
72人が出場する会場で、全英出場権を勝ち取るのは5人。同じ組でイアン・ポールター(イングランド)の息子さんである、アマチュアのルーク・ポールターと回ることになりました。お父さんも一緒に出場しているため、なんだか騒がしく、楽しい欧州復帰ゲームになりそうです。