2026年 BMW選手権

グランドスラム達成、井戸木鴻樹のシニアメジャーVコース/ベルリーブCCで知っておくべき9つのこと

松山英樹
松山英樹はベルリーブCCで2018年「全米プロ」を戦った

プレーオフシリーズ第2戦「BMW選手権」はミズーリ州セントルイスのベルリーブCCで開催される。同コースでの開催はカミロ・ビジェガス(コロンビア)が優勝した2008年大会以来2回目。開幕を前に知っておきたい9つのポイントを紹介する。

ベルリーブCC
適度にアップダウンがあるコース

1.ラドューの“グリーンモンスター”

ベルリーブは「ザ・オープン・ドクター(全米オープン博士)」の異名を持つコース設計家ロバート・トレント・ジョーンズが手がけた傑作だ。長くタフなレイアウトには大きく深いバンカーやウォーターハザード、深いラフが待ち受ける。「パーを拾うのは難しいがボギーで上がるのは容易」というジョーンズの設計哲学が色濃く反映されている。

とはいえ、視覚的に選手を惑わせるような仕掛けは少ない。代わりに難度の高いホールが次々と立ちはだかる。ベルリーブの愛称は「ラドューのグリーンモンスター」。もともと全米オープン開催を見据えて設計され1965年に同大会をホストした。当時の全長7191ydは大会史上最長。ベルリーブは全米オープンが開催されたジョーンズ設計の20コースのうちの一つでもある。

2.フィールドクラブ

現在のベルリーブの姿は1897年にクラブが法人化された当時とは大きく異なる。当初はセントルイス市北西部にある9ホールのコースで名称もセントルイス・フィールドクラブだった。3年後メンバーたちは北米における最後のフランス軍司令官ルイ・サンタンジュ・ド・ベルリーブにちなみクラブ名をベルリーブCCに変更した。だが現在の土地にたどり着くまでにはさらに60年の歳月と2度の移転を要した。クラブは1959年に現在地へ移りジョーンズにコース設計を依頼した。

3.ゲーリー・プレーヤーのグランドスラム

ベルリーブはキャリアグランドスラム達成者を輩出した5つのコースのうちの一つだ。開場から5年後の1965年、ここで開催された全米オープンをゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)が制した。プレーヤーは最終日の上がり3ホールで3打のリードを失ったが、翌日に行われたケン・ネーゲル(オーストラリア)との18ホールのプレーオフを5打差で勝利。ジーン・サラゼン、ベン・ホーガンに続く史上3人目の偉業を成し遂げた。翌年にはジャック・ニクラスが4人目に名を刻んでいる。またこの勝利により38年間続いていた米国人選手による全米オープン連勝記録は途絶えた。

グランドスラム達成者を輩出した他のコースはオーガスタナショナルGC(1935年のジーン・サラゼン、2025年のロリー・マキロイ)、セントアンドリュース(2000年のタイガー・ウッズ)、ミュアフィールドGL(1966年のジャック・ニクラス)、カーヌスティGL(1953年のベン・ホーガン)だ。

タイガー・ウッズ
2018年の「全米プロ」でタイガー・ウッズは復活の兆しを見せた(Jamie Squire/Getty Images)

4.ブルックス・ケプカ vs. タイガー・ウッズ

ベルリーブでは2018年に第100回「全米プロ」が開催されブルックス・ケプカが優勝した。タイガー・ウッズは最終ラウンドを「64」で回り自身のメジャー最終ラウンドでのベストスコアを更新。通算14アンダーでホールアウトしたが、ケプカに2打届かなかった。それでも数週間後の「ツアー選手権」で優勝し翌年の「マスターズ」ではメジャー通算15勝目を挙げた。

一方のケプカはこの勝利でメジャー通算3勝目(現在は5勝)をマーク。29歳になる前にメジャー3勝を達成した史上5人目の米国人選手となりジャック・ニクラス、ジョーダン・スピース、トム・ワトソン、ウッズに続いた。

5.危険が潜む6番ホール

フロントナインの名物ホールである6番(パー3)は最難関の一つに数えられる。美しい景観が広がる215ydのホールは2018年の「全米プロ」で平均スコアが「3.33」を上回った。1965年の「全米オープン」開催時には実に「4.03」を記録している。現在は当時よりグリーンが小さく、右奥や手前のエリアに止めるのは難しい。一方で中央のくぼみに切られたピンに対してはティショットが寄っていく。高台のティイングエリアから、手前に池が広がるグリーンに打ち下ろしていく光景は観戦スポットとしても見応えがある。

6.1オン可能なドラマ

11番は1オンを狙える唯一のパー4だ。2018年「全米プロ」ではイーグルとダブルボギーが同数記録された。グリーン右手前に広がる池を警戒してミドルアイアンで刻むか。正確なドライバーショットで果敢に狙うか。今大会では271ydから361ydの間で設定される。

井戸木鴻樹
井戸木鴻樹は当地で全米プロシニアを制した

7.ザ・リッジ

PGAナショナルに「ベア・トラップ」が、クエイルホローに「グリーンマイル」があるように、ベルリーブには「ザ・リッジ」がある。敷地内の地形にちなんで名付けられたザ・リッジは14番から続く難関3ホール。コースの最も高いエリアに広がるこの難所は、勝負を左右するポイントになりそうだ。14番パー4は比較的やさしいが、15番は495ydのパー4で2018年の「全米プロ」でも難関ホールの一つとなった。通常は南からの向かい風の中でプレーする。237ydのパー3の16番もアゲンストになるケースが多く、選手たちはパー狙いに徹することになるだろう。

8.プレジデンツカップ

ベルリーブが再びPGAツアーの主要大会の舞台となる日はそう遠くない。同コースはすでに2030年「プレジデンツカップ」の開催地に決まっている。今年の大会はシカゴのメダイナCCで、2028年大会はオーストラリアのキングストンヒースGCで行われる。

9.日本人メジャーVと同時多発テロ

ベルリーブは米国で開催される男子メジャー(全米オープン、全米シニアオープン、全米プロ、全米プロシニア)のすべてをホストした3つのコースのうちの一つだ。2013年の「全米プロシニア」では井戸木鴻樹が優勝した。ケプカが制した2018年の「全米プロ」が同コースで行われた直近のプロトーナメントとなっている。

また、当地では2001年に「アメリカンエキスプレス選手権」が開催される予定だった。しかし開幕2日前にニューヨークで9.11同時多発テロが発生したため中止を余儀なくされた。

(協力/PGATOUR.com)

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