パワーランキング:シェルヒューストンオープン
今年は日程の関係でと定められているイースター(復活祭※春分の日の後の最初の満月の次の日曜日)が、バレロテキサスオープンの最終日と重ならなかったため、今週開幕する「シェルヒューストンオープン」が、シーズン最初のメジャー大会となる「マスターズ」をお膳立てする大会として開幕を迎えることになった。この表現は多少大げさに聞こえるかもしれないが、そこがポイントだ。「シェルヒューストンオープン」の大会主催者はオーガスタナショナルを意識して、ヒューストンゴルフクラブの舞台を整えた。144名の出場選手の中から選ばれしエリートたちが、次週のオーガスタに挑む。
リーズ・ジョーンズ家(リーズ・ジョーンズ社)がデザインした伝統的なパー「72」のコースは全長7,441ヤードだ。平均スコア「71.868」は16番や18番を改良したにも関わらず3年連続でアンダーパー(-0.132ストローク)を記録した。しかしヒューストンゴルフクラブのパーオン率は近年では低い値となる70.13%まで降下し、100ヤードから200ヤードまでの25ヤード刻みでショットがピンについた平均距離は、それぞれ長い方からトップ10に入っている(典型的だが)。グリーン周りのショートゲームは難度が高く、マスターズ前の格好のショーケースとなるだろう。
2013年シーズンのヒューストンゴルフクラブは、スクランブリング(55.54%)では13番目の難度だったが、ラフからのスクランブリング(40.85%)ではPGAツアー全体で5年連続となるトップの難度を記録した。この事実は、アンジュレーションに富んだグリーンや、アプローチショットに求められる技術を表している。パー5ホールの昨年の平均打数は「4.78」と非常に難しく、昨シーズン全体で10位タイを記録した。
ディフェンディング王者のD.A.ポインツは、パーオン率で10位タイ、パットのスコア貢献率で10位、スクランブリングで5位、パットの平均距離で8位(90フィート2インチ=約27メートル)を記録し、パー4ホールの平均スコアでは「3.75」でトップの成績を収めた。
大会中は雨や嵐がいつ降ってもおかしくない予報が出ている。事実、大会初日の木曜日はシビアな天候が予想され、気温は華氏80度(摂氏26度)に満たない可能性が高いが、期間中で最も暖かな日となるかもしれない。テキサス名物の風は常に吹き続くだろう。
【パワーランキング】
1、ダスティン・ジョンソン
2013-14年シーズンは出場したストロークプレーの5大会すべてでトップ10入り。ドラールでの「WGC キャデラック選手権」は4位タイだった。PGAツアーでの多くのカテゴリーで首位をマーク。昨年の今大会も同じく4位タイに入った。
2、ヘンリック・ステンソン
ベイヒルでは5位タイをマークし、フェアウェイキープ率とパーオン率で首位タイだった。2009年大会では3位タイ、昨年は2位タイだった。
3、キーガン・ブラッドリー
ベイヒルで単独2位となり、1週間のオフを取った。シーズンベストの滑り出しを見せている。2012年大会は4位タイ、昨年は10位タイ。スクランブル率は目下6位。
4、ロリー・マキロイ
ドラールで25位タイに終わってから3週間の休暇を取った。ストロークプレーの大会では6度のトップ10に留まっている。ドラール前の「ザ・ホンダクラシック」はプレーオフで破れ2位だった。
5、ジョーダン・スピース
TPCサンアントニオで行われた「バレロテキサスオープン」では、初日に「75」を叩くも結果は単独10位。2013-14年シーズンは4度のトップ10入りを果たした。平均スコア(調整後)は目下22位につけている。
6、グラハム・デラエ
ヒューストンゴルフクラブとの相性は抜群で、2010年大会は3位タイだった。3週間前のカッパーヘッドでは初日「75」と出遅れるも8位タイまで巻き返した。
7、セルヒオ・ガルシア
この大会の初出場となった2009年以来の参加となる。目下12戦連続でトップ20入りを継続中。このままの調子を保てば平均スコア(調整後)で2位となる見込みだ。
8、マット・クーチャー
TPCサンアントニオでは4位タイに入り、2013-14シーズン5度目のトップ10フィニッシュを飾った。平均スコア(調整後)は17位。ヒューストンゴルフクラブでの過去2戦は2010年、2011年ともに8位タイ。
9、ビル・ハース
直近の4試合はいずれもトップ25位、カッパーヘッドでは14位タイだった。昨年のこの大会は10位タイ。オールアラウンドは21位、スクランブリングは17位につけている。
10、ルーク・ドナルド
2010年以来、久々の登場となる。直近のカッパーヘッドでは4位タイだった。今大会で予選を通過すればパットのスコア貢献率でPGAツアーのトップに浮上する見込みだ。
11、ハンター・メイハン
腰部の故障から回復した。2012年大会の王者は大会通算獲得賞金で3位につけている。優勝の他に3度のトップ10と11位タイ(2006年)の成績を収めている。
12、ジェイソン・コクラック
「バレロテキサスオープン」では、3日目の「77」が響いて31位タイに終わったものの、トータルドライビングとパーオン率では9位につけた。昨年の大会は単独9位だった。
13、チャーリー・ホフマン
7戦すべてで予選通過とここは相性の良いコースだ。トップ10が1度、トップ25位が3度ある。今季は3度のトップ10、4度のトップ25があり、先週は11位タイだった。
14、フレディ・ヤコブソン
直近4戦ですべてトップ20位に入るなど、今季6度のトップ20。しかし最終日はオーバーパーが目立つ。パットのスコア貢献率は7位。
15、チャールズ・ハウエルIII
昨年の10位タイを含めヒューストンゴルフクラブでの過去2戦はいずれもトップ20。今季は5度のトップ10フィニッシュがあり、パーオン率は7位、平均スコア(調整後)は6位。