キャロウェイにとって記念すべき2013年
フィル・ミケルソンは2013年を、キャロウェイにとって記念すべき年とした。それは「全英オープン」のラスト6ホールで4つのバーディを奪い劇的な勝利を収めた、そのもっと前に遡る。
キャロウェイ商品が話題となりはじめたのは、「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」だった。ミケルソンはあわやツアー史上6人目の「59」をマークする素晴らしいラウンドで、「RAZR Fit Xtreme」を一躍有名にした。この新しいクラブとともにPGAツアーで史上6人目となる11アンダー「59」でのラウンドに近づいた。後に、キャロウェイ契約選手のジム・フューリックが「BMW選手権」で史上6人目の「59」を、新しいクラブと共に叩き出した。
初めてこのドライバーを使用したミケルソンはラウンド後、「革命的なクラブ」と称した。ミケルソンはその後の「シェル・ヒューストンオープン」ではフェース面の高さを上げた「X Hot 3Deep フェアウェイウッド」を使用し、また翌週の「マスターズ」でも同シリーズの「X Hot フランケンフッド フェアウェイウッド」を使用。クラブに関する話題は尽きなかった。
その数ヶ月後の「全英オープン」でミケルソンは、17番のティショット、そして大会の行方を決めた一打と言えるフェアウェイからのショットを「3Deep」を放ち、優勝を引き寄せた。メジャー大会の優勝に貢献したのみならず、ミケルソンが立て続けに新商品を使用し話題を巻き起こしたことにより、キャロウェイにとっての2013年は印象的な一年となった。
PGAツアーで使用されたクラブ:
「X Hot」「X Hot Pro」(アイアン、ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド)、「RAZR Fit Xtreme」(ドライバー、フェアウェイウッド)、「X Forged」(アイアン)、「X Hot 3Deep」(フェアウェイウッド)、「X Hot フランケンウッド」(フェアウェイウッド)、「FT Optiforce」(ドライバー、フェアウェイウッド)、「マックダディ 2」(ウェッジ)、「HEX Chrome + ball」
PGAツアーでの優勝:
フィル・ミケルソン(「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」「全英オープン」)、ベ・サンムン(「HP バイロン・ネルソン選手権」)、ゲーリー・ウッドランド(「リノタホオープン」)、パトリック・リード(「ウィンダム選手権」)
「RAZR Fit Xtreme」を使用し「59」に近付いたミケルソン:
ミケルソンは「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」の初日、新たに導入した「RAZR Fit Xtreme」を使い、あわや「59」のラウンドをマークした。このクラブは重心を下げる「フォージドコンポジット」素材のクラウンが特徴で、「スピードフレームフェース」により打球の速度が伸びる。ミケルソンはこの大会でドライバー平均298ヤードを記録し、4打差で優勝した。
「このドライバーはとても低スピンでより高く打ち上げることができるので、より打ち易くなったよ」とミケルソン。「どの選手にとっても良いことだと思うけれど、僕にとっては最高だね」。
「X Hot 3Deep フェアウェイウッド」の登場:
「マスターズ」に備え、ミケルソンは「シェル・ヒューストンオープン」で、「RAZR Fit Xtreme」に替えて「X Hot 3Deep フェアウェイウッド」をドライバーとして使用した。
「X Hot Pro フェアウェイウッド」のフェース面を上げたバージョンである当クラブは、この週の始めにキャロウェイが発表したばかりだった。ミケルソンにとっては、自身が使用するドライバーとほぼ同様の距離の打球を出すことができ、両方の使い道ができるクラブであった。
「X Hotフランケンウッド」の登場:
おそらくキャロウェイの歴史上で最も期待されたクラブのひとつが、2013年の「マスターズ」でデビューした。「特別なクラブ」を持っていると示唆していたミケルソンは、大会前の記者会見で新たな「X Hot フランケンウッド」について語った。
「エンジニアに、あのクラブの技術をステロイド(筋肉増強剤)のように使えば良いと話していたんだ」とミケルソン。「よりドライバーのようにしてほしいとお願いをした。このクラブは3ウッドのようだが、我々の3ウッドより大きい。ほとんど小さなドライバーのようで、でもこのドライバーは『X Hot』の技術により3ウッドの機能を果たすんだ」。
彼が「X Hot フェアウェイウッド」にドライバーの機能性を持つクラブを求めたことで、キャロウェイのエンジニアは「フランケンウッド」を開発した。8.5度のドライバーはフェアウェイウッドのように使うこともでき、よりランが稼げた。これはオーガスタ・ナショナルのいくつかのホールで、新たなクラブ、もしくは2本分(ドライバーと3W)のクラブとして機能した。
ミケルソンは「3Deep」をメインのドライバーとして使用する前に、「マスターズ」後のいくつかの大会では「フランケンウッド」をバックの中に入れていた。
マックダディ2:
「マックダディ」成功の波に乗り、キャロウェイのチーフクラブデザイナーであるロジャー・クリーブランド氏は、全米ゴルフ協会やR&Aのルール改定にも対応した最新の「マックダディ2」を発表した。
ミケルソンは「マスターズ」で60度の「U-Grind」ソールを使い始め、その後の数ヶ月は「マックダディ 2」のフルセットをバックに装備した。
このウェッジに3種類の角度があることは、ティアドロップ形が特徴の「X フォージド」シリーズへの回帰でもある。
実際に、クリーブランド氏のウェッジは2013年にとても人気だった。PING契約選手のハリス・イングリッシュのように、キャロウェイと契約していない選手でもこのウェッジを使用するようになったほどだった。イングリッシュは3種類の「マックダディ2」を揃え、「OHLクラシックatマヤコバ」で優勝を果たした。
平均飛距離上位選手がキャロウェイのドライバーを使用:
2013年、PGAツアーでドライバー飛距離がトップ5に入った選手のうち、1位のルーク・リスト(「RAZR Fit Xtreme」使用)、3位のニコラス・コルサーツ(「Callaway RAZR Hawk Tour」使用)、4位のゲーリー・ウッドランド(「RAZR Fit Xtreme」と 「RAZR Hawk Proto」使用)の3人がキャロウェイのドライバーを使用している。
FT オプティフォース:
PGAツアーの舞台では既に2モデルのドライバーが登場していたが、さらにシーズン後半「グリーンブライアークラシック」で「FT オプティフォース」ラインが加わった。この新モデルは空気力学を活かしたヘッドの形によりスイング時の抗力を20%削減。軽量化・「フォージドコンポジット」素材のクラウン・フェイスの厚さの可変テクノロジーが特徴のモデルだ。
「FT オプティフォース」は、アメリカで生まれたキャロウェイ製品の中では最軽量となる290グラムのドライバーだ。軽量化のために「RAZR Fit Xtreme」シリーズでヘッドの軽量化に役立った「フォージドコンポジット」素材のクラウンを採用した。
このドライバーが選手たちに注目されるまでに時間はかからなかった。「ウィンダム選手権」覇者のパトリック・リードから、シーズン後半からこのドライバーを使用し「59」を記録したジム・フューリックまで幅広い選手に使用され、キャロウェイのモデルの中で最も使用されるものとなった。
パトリック・リードの印象的な7アイアンショット:
キャロウェイ契約選手のパトリック・リードは「RAZR X MB 7番アイアン」を使用し「ウィンダム選手権」で今シーズンのベストショットのひとつと言える一打を放った。ジョーダン・スピースがすでにグリーンに到達した状況で、松葉で囲まれた圧倒的に不利な状況から、木々をすり抜けピンから3メートルのところにつけた。続くパッティングを沈め、リードは初の米国ツアータイトルを獲得した。