2013年 ザ・バークレイズ

デイリーラップアップ:ザ・バークレイズ初日

2013/08/23 18:29

朝食後にスタートしたケビン・スタドラーが、この日のラウンドを終えたのは、ちょうど夕食前の時間帯だった。リバティナショナルGCでの初日のラウンドに11時間近くを要したスタドラーは、今年2月の第一週以来となる、米国ツアー自己ベストタイの7アンダー「64」をマークした。

とはいえ今日の成績が、フェデックスカッププレーオフの開幕戦であるザ・バークレイズ大会の初日の首位を確約するものではない。

プレーオフシリーズの幕開けとなった大会初日の木曜は、雨のため6時間に渡る都合2度の中断を余儀なくされた。

ハドソン川の土手際で、今日の空模様は降っては止み、止んでは降るを繰り返した。だが、どんな悪天候も、スタドラーの勢いを止めることはできなかった。スタドラーは序盤に3バーディを奪うと、2度目の中断後、雨で柔らかくなったコースに戻ってからも、さらに4バーディを叩き出した。

中断したことで、“試合モード”のメンタル面を維持する難しさはなかったのか。そう尋ねられたスタドラーは、「僕はそんな風にメンタル面で構えたことは一度もないんだ。普段と同じだよ。それが良かったのかな」と、答えた。

フェデックスカップランキング1位のタイガー・ウッズは、最初の中断の直後、13番(パー5)で短いバーディパットを外したが、その直後に3連続バーディを決めて盛り返した。しかし長時間に及んだ2度目の中断の後は、徐々に勢いが削がれてゆき、ロングホールでひとつもバーディを奪うことができず、この日のスコアを「67」とした。

タイガーは、その日がどれだけ長く掛かろうとも問題には思わない。それよりも、翌日が長くなることの方に、より気を揉むようだ。

初日、ラウンドを全うできたのは前半にスタートした約半数の選手のみ。ベン・クレーンなどは、この日2ホールしかプレーできなかった。後半スタートの選手たちは、明朝残りのホールから再開し、そのまま第2ラウンドに突入することとなる。つまり上位につける多くの選手たちは、土曜日の決勝ラウンド進出に向けて、余分なラウンドをこなさなくてはならないのだ。

「自分たちは(ラウンドを)終えた」と、タイガー。「長い一日だったが、明日は短くなる。そして迎える土曜は、持久力が問われることになるだろうね」と、続けた。

全英オープン覇者のフィル・ミケルソンと、マスターズを制したアダム・スコットも、初日のホールアウトはかなわなかった。全米プロゴルフ選手権で優勝したジェイソン・ダフナーは「71」、全米オープンの王者ジャスティン・ローズは、13番(パー5)でダブルボギーを叩いたものの、「68」で初日を終えた。

今シーズンは条件付きの出場権で、現在フェデックスカップランキング110位のカミロ・ビジェガスは、中盤に4連続バーディを奪い、一時は初日で唯一となる8アンダーまでスコアを伸ばしたが、その後に連続ボギーを叩き、「65」で初日のラウンドを終えた。ヘンリック・ステンソンや、ライアン・パーマーと共に彼らは2位タイにつけている。

ビジェガスは、「朝食は3回、ウォームアップも3回、ランチは2回でバーディも山盛り。いい気分だよ」と、振り返った。

ジェイソン・デイマット・クーチャーは、共に「66」で初日を終えた。デイは、2つのボギーを叩くまでは、好調を維持していた。しかし5番ホールで、岩場を越えた一打がグリーン左のウォーターハザードにつかまってしまった。その後は出入りの激しいゴルフとなった。最終ホールとなった9番では、ドライバーショットがブッシュの奥に深くに入ってしまい、ペナルティを課され、ボギーとしてしまった。

リバティナショナルGCでは、悪天候にも関わらず、いくつかのロースコアが記録されている。09年のザ・バークレイズでは、通算9アンダーが優勝スコアだった。このコースは、ランディング地点が柔らかくなったり、複雑だったグリーンが落ち着くなど、大きく様変わりした。その上、実質的にラフがなくなったのだ。

もちろん、今日のようにコンディションが柔らかくなったからと言って、ロースコアを狙える保証はない。それでもホールアウトした選手の半数近くが、60台でラウンドした。

スコア60台のグループに、ロリー・マキロイが含まれていても不思議はなかったが、ミスを重ねて及ばなかった。ダブルボギーを3度も叩いたマキロイは、それでも「71」で踏みとどまっている。マキロイは、15番のバンカーショットでグリーンをオーバーし、5番のアプローチショットをウォーターハザードへ。さらに9番のティショットはカート道で不運なキックをし、茂みとフェンスを越えてOBとなってしまった。

「でも、それ以外はとても良かったんだ」と、マキロイは振り返った。

スタドラーは、序盤からペースを上げる必要があった。4月下旬にニューオリンズで開催されたチューリッヒクラシック以来、トップ10フィニッシュからも遠ざかっている。このプレーオフは、フェデックスカップランキング87位で迎えた。次週ボストン郊外で行われる2つ目のプレーオフに出場できるのは上位100選手のみで、シカゴで開催されるプレーオフ3大会目は、上位70選手しか出場できない。

「夏場はひどかったけど、数週間前からかなり良いプレーができるようになっているし、最近は、今週もゴルフができるって思えることが楽しみなんだ」と、スタドラー。「今日はようやく結果が結びついたね」と、振り返った。

スタドラーは、世界ゴルフ選手権に出場したこともなければ、メジャー大会の経験も一度しかない。唯一の出場となった全米プロゴルフ選手権では、予選落ちを喫している。そのため、今大会は一大イベントに感じられるだろう。異論はあろうとも、今シーズンの好プレーで出場権を勝ち取った選手たちによる今週のプレーオフは、PGAツアーで最も分厚いフィールドの試合だと言えるだろう。

「今週ここには、あらゆる選手が集結している。実に素晴らしいことだね」と、スタドラー。「でも、まだ何週間と続く戦いでもある」と、彼は気を引き締めた。

昨年、フェデックスカッププランキング117位だったステンソンは、今季は1週目にして遥か上を行く活躍を見せている。ステンソンは今、最も勢いのある選手のひとりで、全英オープンとブリヂストンインビテーショナルで2位、全米プロゴルフ選手権で3位に食い込んだ。今シーズンのステンソンのランキングは9位で、長丁場となった大会初日も「65」をマークし、実績通りの活躍を見せている。

「月曜夜にヨーロッパから来たから、時差ボケも少しあったし、コースを見たもの1度だけだよ」と、ステンソン。「非常に快適にプレーができているし、いくつかの良いショットで優位にラウンドできた。最後はちょっと不安定なフィニッシュになったけどね」と、語った。

ステンソンは、8番(パー5)で短いパーパットを外したが、最終9番では6フィートのパットをねじ込み、辛うじてパーを拾った。

「夜間ゴルフの良い練習ができたよ。明日、第2ラウンドをスタートしたら、夜に同じ状況になるだろうからね」と、ステンソンは意気込みを語った。

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