「タンパベイ選手権」 初日レビュー
ショーン・ステファニーは、PGAツアーに参加するようになって間もないが、この大舞台で堂々たる振る舞いを見せている。
もう少し早くツアーに参加すべきだったかもしれない。
「タンパベイ選手権」の初日、この厳しいコースでは強風が吹き荒れていた。だが、ステファニーは、最終ホールまでボギーも寄せつけないパフォーマンスだった。5フィートのパーパットをしっかり決めると、6アンダーの65をマークし、ブライアン・ハーマンに2打差をつけて首位に立った。
ステファニーは、「何度か悪いショットになったり、微妙なショットなったりと苦労したけれど、何とか『アップアンドダウン』(グリーン外から2打でカップインすること)で、より少ない打数で乗り切ることができた。あれやこれやで今日は最高の一日になったし、明日も結果が出せることを楽しみにするよ」とコメントした。
本人が言うほど悪いショットはなかった。ここフロリダ州イニスブルックにあるコッパーヘッドで、最高のパフォーマンスだったという声も聞かれるほどだ。70以下で回ることのできた選手はわずか13人で、パー以下を記録できた選手は25人だったという。
ハーマンは9番ホール、わずかに及ばないショットでバンカーに打ち込むと、唯一のボギーを叩き、ラウンドを67で終えた。ハリス・イングリッシュも、18ホールはバンカーにはまった。ただし、40フィートの距離から3打で決め、ダブルボギー。結果68で、ブレンダン・スティールとタグ・ライディングスと同位に並んだ。
世界ランク49位のジェフ・オギルビーが「マスターズ」に参戦するには、向こう3週間で上位50位内に留まることが不可欠だ。この日はルーカス・グローバー含め、優勝経験のあるビジェイ・シンやチェ・キョンジュとともに69で同位となった。
オギルビーは他のオーストラリア人選手らと最初のラウンドを回った。一緒だったのは、交友関係のあるアダム・スコットやジェイソン・デイで、二人とも70で終えている。
31歳にしてようやくPGAツアーに参戦したステファニーは、ウェブドットコムツアーの賞金ランキングでは16位だった。新しいコースでプレーし、慣れない場所に滞在しているが、今年の他のルーキーの中でも稀な例のようだ。
「ソニーオープンinハワイ」で優勝したラッセル・ヘンリー、もう一人のルーキーのスコット・ラングレーも最終組で一緒にプレーした。他の3人も今季最終組でのプレー経験がある。トーレパインズの「ファーマーズ・インシュランスオープン」に出場したブラッド・フリッチェ、「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」に出場したジェームス・ハーン、そして2週間前の「ホンダ・クラッシック」に出場したルーク・ガスリーだ。
ステファニーは、「彼らがいいプレーをしているのを見ると嬉しい。昨年ずっと一緒に戦ったし、みんな勝利したからね。スコット以外だけれど。昨年ウェブドットコムで何度かプレーしたんだけれど、みんなすごくいい奴でいい選手なんだ」と語る。
昨季覇者のルーク・ドナルドは、70という数字でいつもより鬱憤(うっぷん)を抱えるスタートとなった。4つのホールで4アンダーをただき出し、好調な滑り出しだったが、12フィート以内のバーディチャンスを3度逃してしまった。
6番ホールはドライバーショットのミスでボギーを叩いた。パー3の8番ホールでは、ティショットからバンカーに打ち込み、さらに9番ホールでもバンカーの斜面につかまってしまった。これで4ホールで3ボギーとし、快調な滑り出しは、イライラの募る結果に転じてしまった。
ドナルドは、「5アンダーか6アンダーで終われそうなところもあったんだ。70という結果は受け入れ難いね。ほんの2、3のショットで台無しにしてしまった。15ホールは、本当にいいプレーをしていたのだから」と明かす。
ステファニーはその一方で、ほとんど間違いを犯さなかった。
追い風を受けて、10番ホールでのウェッジはバーディチャンスの2フィートに到達した。ここからパー5の全4コースでバーディを奪った。ステファニーが今週、この短期決戦に向けて練習をしたのは、この前の丸2日だという。3番ホールでは、20フィートのバーディショットを決めた。
何よりも特筆すべきことは、ステファニーがほとんどミスをしなかったことだろう。グリーンのミスは3度のみ。そのすべてでバンカーからのアップアンドダウンを決め、ラフからプレーを余儀なくされたのは1度だけ。3番ホールでわずかに左にずれたティショットぐらいだった。
「ここで気持ちよくドライバーショットを決められたら、かなり優位に立てるだろうね。でもこうした難しいコースで、自分がフェアウェイにたくさん乗せたから、バーディを狙えたし、いい順位にいられるのだけれどね」とステファニーは語った。
ミニ情報:スティーブ・ストリッカーのキャディを務めるジミー・ジョンソンは、向こう2週間ハリス・イングリッシュに付く予定。ジョンソンは、先週のトランプドラールには出ていない。理由はストリッカーの妻ニッキがキャディを務めるトーナメントだったため。なお、ジョン・デーリーは72でスタートしている。