2013年 タンパ ベイ選手権

ゴルフ界の大記録に迫るタイガー・ウッズ

2013/03/13 18:02

思い描くショットをシンプルに遂行する「無意識の能力」

『スイングを改良すべく、必死に練習しているエリート選手が“シンプル”とう言葉を使って自身のラウンドを振り返ったとしよう。それは間違いなく「無意識の能力」でプレーしていることを示すのだ。「無意識の状態」でのプレーと聞くと、ゴルファーにとっては誤解を招いてしまうかもしれないが、それは自分が思い描くショットをシンプルに遂行していることを意味するのだ』。

「無意識の能力」についてはその後、様々な呼び名がつけられてきた。ゾーン、ニルヴァーナ(ヒンドゥー教で“至福の境地”の意)、エンライトゥンメント(イスラム教の“悟り”の意)、またはイン・ザ・グルーブと言われたり。どの言葉も厳しいピンの位置をロングアイアンで果敢に攻める時の心理状態を示す言葉としては、相応しいように聞こえる。

タイガーのスイング改造は大がかりな計画だった。だから先週、トランプドラールのTPCブルーモンスターで、彼が2打差で優勝を果たしたことは、米国ツアーで76勝目を果たしたこと以上に、とても大きな意味を持つのだ。

先週の完勝は、2009年のWGCブリヂストンインビテーショナル以来の大勝であり、彼自身の今季2勝目という事実よりもはるかに大きな出来事だった。世界ランキング1位のマキロイと2位タイガーの差はわずかなところまで縮まってきている。それは歴史に名を刻むサム・スニードの歴代最多勝まであと6勝に迫ったことよりも大きなことだ。

サム・スニードはしなやかなアイアンショットを見せる選手で、40年以上に渡ってツアー歴代最多勝となる84勝を記録した名選手だ。彼は53歳の時、グレーター・グリーンズボロオープンで最後の優勝を遂げた。

これは日常生活においてもゴルフにおいても、準備と回復が完了していること、そしてタイガーのメンタルが強く充実してきていることを示唆していると言えそうだ。彼は今、困難に見舞われ苦しんだあの5年間の遅れを取り戻そうとしている。

マスターズは間もなく開幕し、あのタイガー・ウッズが自信と共に戻ってくる。そしてジャック・ニクラスの金字塔を視野の中にはっきりと捉えている。

「彼は多くのことをゴルフ界にもたらしてくれる」-ストリッカー≫
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