「神様に『お前にはまだ早い』と」久常涼が最後のパー5で賭けに出たワケ
◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(15日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)
アンラッキー、のひと言で片付けるのは簡単だ。久常涼はホールアウト後、沈痛な面持ちを浮かべた。トップ10圏内で迎えた後半16番(パー5)から2連続ボギー。上り調子だった“第5のメジャー”の終盤に後退し、「72」で通算6アンダー13位で4日間を終えた。
15位で迎えた最終ラウンドは出だしからパーが並んだ。前半4番でグリーン右ラフからピンそば1mに寄せてボギーを免れ、9番(パー5)では3m弱のチャンスを決めきれなかった。ガマンを重ね、2打目をグリーン左に運んだ11番(パー5)から2連続バーディが先行。13番(パー3)ではグリーン右奥から、ウェッジで下り傾斜にのせて2mに寄せる絶妙なチッピングで大きな歓声を浴びた。
16番が悔やまれる。1Wショットを成功させ、2オンの可能性に期待を膨らませた直後、フェアウェイ上の球を見て、あ然とした。「ボールの後ろにターフが付いていた。スイングすると、(先に芝に)当たってしまう」。右サイドからグリーン奥にかけて池が広がるパー5。思案した末にロングアイアンで積極策をとったセカンドショットは池へと消えた。
100ydほど前に進めて3打目勝負に持ち込む手もあった、と認めた上での選択だった。「キャディには『刻めば』と言われたんです。でも、刻んだところでバーディにならないと思った」。グリーン奥に切られたピンの向こうの池までも5ydほどしかない。「残り100ydから(3打目で)奥にこぼすこともある。エッジまで210yd、アイアンで届くところを刻むのはないだろうと思って狙った。(ミスになるとしたら左に)引っかけると思って打ったけど…」
いずれにせよ、「5(パー)はいらないと思った」というバーディ、イーグル奪取への欲望に背中を押された。「2ケタアンダーにのせてトップ10、トップ5に入りたかった」。世界ランクを上げて、4月のメジャー初戦「マスターズ」(ジョージア州オーガスタナショナルGC)に出たいという目標もある。守りに入りたくなかった。「僕が完ぺきしか見ていなかったのはある。まあ、神様に『お前にはまだ早い』って言われたようなものです」
3回目の出場で初めて予選を通過し、堂々と上位争いを演じた。待望の初勝利を目指す3年目のシーズンで、年間ポイントレース(フェデックスカップ)は21位につける。「良いプレーはずっとできていると思う。もう少しガマンして、また頑張れればいいかなと思います」。次週の「バルスパー選手権」(フロリダ州イニスブルックリゾート)はツアー1年目の2024年に33位、昨年4位。「勝つよ、来週」と顔を上げた。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)