鬼か、巨人か…久常涼が追う松山英樹の背中 最終組対決から1カ月
◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 事前情報(10日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)
夢のような時間から4週以上が経った。2月の「WMフェニックスオープン」は3日目に2人の日本人選手が最終組で一緒にプレーした。松山英樹と優勝争いの権利をかけて回った久常涼にとっては、ある意味で“悪夢”のようだったかもしれないが…。
いま改めて思う。失礼を承知で、松山さんは「鬼に見えた」。PGAツアー通算11勝のマスターズチャンピオンは真剣勝負となると人が変わった。普段ともにさせてもらう事前ラウンドとは雰囲気が一変。1番ティから「オーラが出ていた。もうね、“巨人と小人”の世界。(自分は)怯えながらゴルフをしていた」とジョーク交じりに振り返るほど。自身がまだ23歳、PGAツアー3年目であることを差し引いても、先輩の背中はまだ、あまりに大きい。
「すごさの深みを年々感じる。1年目は『やっぱりすごいんだろうな』と想像していて、ホントにすごいと思ったけれど、自分も年々プレーを重ねて、いかにすごいかを感じるようになった」。同じ舞台に上がる機会が増えるにつれて、松山の技術力の解像度が上がる気分。長いあいだトップレベルにいる理由をひも解くヒントを日々得ている。
自身3回目となる第5のメジャー開幕2日前、やはりスパーリングをお願いした。アウト9ホールを一緒にチェック。「松山さんのアプローチをずっと見ていると、やっぱり良いイメージになるんです。そばでずっと見させてもらいたいと思う気持ちが大きい」。グリーンサイドで送る視線は特に強くなる。「今のは(ロフト角)何度のウェッジですか?」。何気ない質問にも、真摯に答えてくれる関係性もまた、久常が米国で懸命に手に入れてきたものだ。
「試合のああいうところで一緒に回れる機会をもっと増やしたい」。次の優勝争いが準メジャー大会ならもちろん最高だ。「ことしはラフが深い。池が絡んだり、バンカーがラインにかかるので難しい」とTPCソーグラスは一つの厚い壁。「まだ(過去2回)予選を通っていない。4日間しっかり戦い切れるように頑張りたい」と鼻息は荒い。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)