“世紀の大逆転”の再来を予感した最終日 笑いあり涙あり小騒ぎありのライダーカップ
◇米国選抜VS欧州選抜◇ライダーカップ 最終日(28日)◇ベスページブラック (ニューヨーク州)◇7352yd(パー70)
土曜日(2日目)が終わった時点で、きょうの盛り上がりを誰が予想できただろう。欧州選抜が11.5pt対4.5ptで米国選抜をリードして迎えた最終日。ビクトル・ホブラン(ノルウェー)の棄権で両チームに0.5ptが配分され(※引き分けの扱い)、欧州はシングルス11試合で2.5ptを稼げば勝利が決まる“余裕”の状況だった。
第4マッチで世界ランク1位のスコッティ・シェフラーと同2位のロリー・マキロイ(北アイルランド)が対戦するよう両主将が指名したのは、戦況を盛り上げるためと思われた。
しかし、最終日は予想に反した展開となる。第1マッチでキャメロン・ヤングがジャスティン・ローズ(イングランド)を下して1ptを獲得すると、第2マッチはジャスティン・トーマスがトミー・フリートウッド(同)を制して米国の2連勝となった。
ブライソン・デシャンボー対マシュー・フィッツパトリック(同)の第3マッチは、7番までに5ダウンを喫したデシャンボーが盛り返し、最終ホールで引き分けに持ち込んだ。絶体絶命からの巻き返しに、米国チームは勝ち点を得たような盛り上がり。第4マッチはシェフラーがマキロイを下した。
ホームチームの奮闘に、会場のあちらこちらで大歓声が湧く。熱気は試合が進むにつれて高まった。“世紀の大逆転”といわれた、最終日に米国が4pt差をひっくり返した1999年大会の再現を期待する空気が、じわじわと漂った。
それでも、第5マッチのルドビグ・オーベリ(スウェーデン)の勝利で欧州チームが1ptを加算。第8マッチの最終ホールでシェーン・ローリー(アイルランド)がバーディを奪い、欧州チームが14ptとして勝利を決定づけた(※14ptで引き分けの場合は前回の優勝チームがタイトルを防衛したことになる)。ローリーはグリーン上で何度も飛び跳ね、チームメンバーと抱き合い、勝利の喜びに涙した。
負けた米国チームも、最終日の猛追で大会を大いに盛り上げた。第4マッチまでに勝敗が決まると思われていたが、正式の優勝(14.5pt目の獲得)が第10マッチまでもつれたのは粘りの証。主将のキーガン・ブラッドリーの面子も保たれたわけだ。
前日には観戦中のマキロイ夫人がビールのようなものをかけられる騒ぎもあったが、問題はそれ以上に発展することなく収束。欧州チームは2012年以来のアウェーでの勝利を実現し、米国側は敵を素直にたたえ、選手間のいざこざもなかった。ニューヨークでの開催に事件を予感していたのが申し訳なくなるほど、大会は平和裏に幕を閉じた。
欧州選抜を2大会連続で優勝に導いたキャプテンのルーク・ドナルド(イングランド)には、「2 more years!(あと2年キャプテンをやって!)」と会場から声が上がっていた。規定では2回しかキャプテンはできないのだが、それだけドナルドの指揮が良かったのだろう。2027年の次回大会はアイルランドのアデアマナーGCで行われる。今から楽しみになってきた。(JJ田邉カメラマン)