“トランプ効果”で「統合に現実味」強調も PGAツアーとLIVの次回会談は未定
◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 事前(11日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)
旗艦大会前に恒例の会見に臨んだPGAツアーのジェイ・モナハン・コミッショナーは冒頭で、メディアの質問を前にLIVゴルフとの統合交渉について口火を切った。
「トランプ大統領が(中立的な立場で交渉を進める)ファシリテーターとしての役割を果たそうとしていることで、協議は大幅に進展している。彼はゴルフ界の再統一を望んでいる。私たちもそうだ。彼の関与で、統合の見通しが現実味を帯びてきた。LIVゴルフの重要な側面をPGAツアーのプラットフォームに統合する余地があると考えており、私たちは、両者を結びつけるためにできる限りのことをしています」
2023年6月の和解発表から、統合への具体的進展が見えない状況。モナハン氏はドナルド・トランプ米大統領の関与で事態にポジティブな変化が生じていることを強調したが、「いくつかのハードルを取り除いた一方、残っているハードルもある。複雑な交渉において、特に突破口が見えそうなとき、話し合いには“波”がある」とも語った。
2022年のLIVスタートから、両団体のトップ選手が一堂に会する場は4大メジャーに限られてきた。モナハン氏は優先事項を「すべてのベストプレーヤーが“より頻繁に”再会すること」としながら、それが何を意味するのか明言を避けている。この日もLIV登場以降のPGAツアーの変化を成果として並べたが、具体的で目新しい情報を明かすことはなかった。
「私たちが後悔する唯一のディール(取引)は、PGAツアーを特別たらしめるゲームの本質を損なうこと。ファンの皆さんと同じように、私たちも解決への切迫感を共有しています」。その上で期限を定めていないこと、現時点ではLIV側との次回会談の予定が決まっていないことを明かした。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/亀山泰宏)