久常涼のオープンウィークの過ごし方 “第5のメジャー”会場で見かけた意外な選手とは
◇米国男子◇WMフェニックスオープン 事前(5日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)
ツアー2年目の久常涼は先週、米国本土に拠点を構えてから初めて、試合と試合のあいだのオープンウィークを過ごした。ゴルフ環境が充実した南東部フロリダ州のオーランドでの生活は快適で、ホテルを転々としていた昨年とは「全然違うと思います。ラクな感じがしました」と話す。
近くに住む小平智、畑岡奈紗とプライベートラウンドを楽しんだ別の日には、PGAツアーのおひざ元、東海岸沿いのTPCソーグラスまで足を延ばした。自動車を運転して約2時間の距離。第5のメジャー「ザ・プレーヤーズ選手権」の会場でもあるスタジアムコースでの2ラウンドも充実感たっぷりだった。
全米に広がるPGAツアー管轄のTPC(トーナメントプレーヤーズクラブ)のコースは、各クラブが通常の会員サービスを行うほか、ツアーメンバーのレベルアップを促す場でもある。ソーグラスにはアマチュアや一般客とは別のツアー選手専用の練習場が設けられ、年中ボールを打ち込める。また、「毎日、早朝の2、3組は選手専用でティタイムを用意してくれているんです。だから、ツアー選手と一緒に練習ラウンドができる」。プレーフィはもちろんゼロ。運が良ければ実力者との“スパーリング”も可能だ。
このサービスはあくまでPGAツアーのメンバー向け。ちなみに久常はソーグラスで、2022年に「ザ・プレーヤーズ選手権」、「全英オープン」で優勝、その直後にLIVゴルフに電撃移籍したキャメロン・スミス(オーストラリア)を目撃したという。PGAツアーメンバー用の打席ではなく、一般用エリアで…。
シーズンが開幕してここまで3試合に出場。2試合で予選を通過したが、「ソニーオープンinハワイ」65位、「ザ・アメリカンエキスプレス」43位の成績に不満が残る。「自分としてはもっと上に行きたい試合だったので、結構こたえました。やっぱり、そんなに楽じゃないですよね、このツアーは。松山(英樹)さんクラスじゃない選手には。自信がないとうまく行かないのは当たり前。ちょっとヤバいなあという感じです」
仕切り直しの今大会は昨年、初日の朝に欠場者が出たことで繰り上がり出場(予選落ち)。「ことしはティタイムが最初からあるので準備はしやすかった。このコースはグリーンが硬くて難しい。でもチャンスがないわけじゃない。松山さんが2回勝たれている。チャンスはあると思い込んで頑張ります」と自らに語り掛けるように意気込んだ。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)