コロナ禍に翻弄 稲見萌寧の銀メダルに沸いた2021年東京五輪
第33回オリンピック競技大会がフランス・パリで26日(金)に開幕し、男子ゴルフが8月1日(木)、女子ゴルフが7日(水)からそれぞれ4日間の日程で行われる。112年ぶりに復活した2016年リオデジャネイロ五輪に続いてゴルフ競技が実施された2021年の東京五輪を振り返る。
パンデミックで開催が1年延期
1964年以来となる日本での夏季オリンピックは、新型コロナウイルス感染拡大によって開催の危機に瀕した。2020年3月のPGAツアー「ザ・プレーヤーズ選手権」が大会2日目に中止となるなど、各ツアーが一様にストップ。同月中に東京五輪の1年延期も決まった。
各国代表を決める世界ランキングも大きく変動した。日本男子は松山英樹に続く2番手に星野陸也が台頭。20年の年明け時点で畑岡奈紗、渋野日向子、鈴木愛が圏内にいた女子も稲見萌寧が20-21年シーズンの賞金女王に輝く活躍を見せ、畑岡とともに代表入りした。
松山英樹はPOで銅メダル逃す
埼玉・霞ヶ関CC東コースでの無観客開催。同年4月「マスターズ」を制した松山には大きな期待と重圧がかかった。新型コロナからの復帰戦でも1打差2位につけ、オーガスタと同じザンダー・シャウフェレとの最終日最終組へ。「69」と伸ばしきれず、銅メダルをかけたプレーオフ1ホール目で脱落して通算15アンダー4位。星野は6アンダー38位だった。
日本で育った台湾人の母親を持つシャウフェレが、ゆかりの地で金メダル。18アンダーまで伸ばし、最終日「61」とチャージを見せたロリー・サバティーニ(スロバキア)を1打差で振り切った。7人のプレーオフの末、C.T.パン(台湾)が銅メダルを獲得した。
リディア・コーとのPOに勝利
女子は首位と5打差3位で最終日を迎えた稲見が後半12番から4連続バーディで浮上。「65」をマークして通算16アンダーでホールアウトした。ネリー・コルダには1打及ばなかったものの、同スコアで並んだリディア・コー(ニュージーランド)とのメダルの色を決めるプレーオフ。1ホール目で日本ゴルフ界初となる銀メダルを勝ち取った。
同年6月「全米女子プロ」でメジャー初優勝を飾っていたコルダは世界ランク1位の貫録を存分に示す金メダル。畑岡は最終日に「69」と伸ばしあぐね、10アンダー9位でフィニッシュ。フィリピン代表として出場していた笹生優花も同順位だった。