11アンダーをマークしたノ・スンヨル(Tim Heitman/Getty Images)

◇米国男子◇AT＆Tバイロン・ネルソン選手権 初日（11日）◇TPCクレイグランチ（テキサス州）◇7414yd（パー71）

日本のツアーでも活躍したノ・スンヨル（韓国）がこの日、11アンダー「60」というビッグスコアをたたき出した。コースレコードに並び、ノにとってはPGAツアーのキャリアハイだ。

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「あと一打で59だったから本当にうれしいよ」と試合後のノ。「ウェッジもパターも全てがうまくいっていた。最後の18番はイーグルを取れば…とも考えたけど、バーディを狙うことだけに集中したよ」

ただの「60」というロースコアではない。実はこの日、ノは途中でドライバーが割れていたのだ。

ハプニングは12番ホール（パー4）。「ドローを打ったのに70ydぐらい右に行った」とヘッドの亀裂にすぐさま気づいた。ただ、その時点で競技委員からは「わずかな亀裂では交換できない」と言われ、破損したドライバーをバッグに入れたままプレーを続行した。

続く13番では果敢にも破損したドライバーでティショットを打った。「コース最長のパー4（512yd）だし、3番ウッドだと2打目の距離が残る。それだったらドライバーでいくか」と打った球は「50ydぐらい左へ曲がった」ものの、そこからパーセーブした。

その13番のティショットの後に「ヘッドに重大なダメージが見られる」として、ようやく交換が認められた。“カチャカチャ”でヘッドをスリーブから外し、16番ホールのティショット前に届いたばかりの新しいヘッドに入れ替えた。その後17、18番で連続バーディを奪ったのは圧巻だった。

「ほんとすごい一日だったよ。ドライバーは破損するし、破損したドライバーでミスもしたしね。でもそれ以外はほぼ完ぺきなゴルフだった」と振り返る。2014年のチューリッヒクラシック以来の優勝へ、後続に3打差のロケットスタートだ。（テキサス州ダラス／服部謙二郎）