グリーンジャケットの厳しい着用ルール/今さら聞けないマスターズの“マ”(9)
◇メジャー第1戦◇マスターズ 最終日(9日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7545yd(パー72)
ジョージア州のオーガスタナショナルGCでの「マスターズ」が今年も幕を閉じました。松山英樹が2021年に優勝した大会は、男子ゴルフの世界最高峰のトーナメント。いまさら他人に聞けない基本をコッソリおさらいします。
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持ち出せるのは一年間だけ
オーガスタに夜のとばりが下りる前、マスターズはフィナーレを迎えます。1番ホールの隣、パッティング練習場で行われるセレモニーのハイライトは、グリーンジャケットの授与式。前年度の優勝者が、まさにいまチャンピオンになった選手の背中に“勝者の証し”を羽織らせます。今年はスコッティ・シェフラーからジョン・ラーム(スペイン)へ。どちらも感無量といった表情でした。
グリーンジャケットは、オーガスタナショナルGCのメンバーを証明するものとして1937年(マスターズが始まった3年後)に作られました。マスターズの創始者ボビー・ジョーンズとクリフォード・ロバーツ、どちらのアイデアとも言われています。1949年大会を制したサム・スニード以降の優勝者に贈られるようになり、今に至ります。
ジャケットは優勝して、生涯のマスターズ出場権を持つ名誉会員として迎えられるチャンピオンのものであると同時に、オーガスタナショナルGCのものでもあるため、いくら自分のものにしたからといっても扱いには厳しいルールがあります。
普段はクラブハウスのロッカーに収めなければならず、ゴルフ場の外で着るのは禁止。唯一、直近の優勝者だけが外に持ち出すことができますが、次の年のマスターズでオーガスタに到着した時にロッカーにしまわなくてはなりません。
松山は2021年4月に日本に初めて持ち帰り、家族らにも袖を通してもらいました。ただし、グリーンジャケット姿で公の場やメディアに出る際には、やはりオーガスタの許可が必要だったのです。
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