2014年 全英リコー女子オープン

記者が選ぶ注目選手/全英リコー女子オープン

2014/07/10 05:04
米国勢の波に乗れるか?12月に挙式を控えたポーラ・クリーマー (撮影:Shizuka Minami)(「Pentax K-3」にて撮影)

今季の海外メジャー第3戦となる「全英リコー女子オープン」は、イングランドにあるロイヤルバークデールGCで行われる。2010年、同コースで行われた大会で優勝したのはヤニ・ツェン(台湾)だった。9打差の9位タイに宮里藍上田桃子らが入っている。

だが、4年前と今年ではコースの様相は一変している。フェアウェイやグリーンは当時と比べると青々として軟らかく(日本と比べると当然硬いが)、一方でフェアウェイ両脇のラフは深々と生い茂っている。ミッシェル・ウィは「前回はドライバーでラフも構わずせめて行ったけど、今年はより刻まないといけない」と、入れれば即ペナルティとなるラフに警戒感を示している。

3週間前の「全米女子オープン」をウィが制したことで、米国女子ツアーの地殻変動がより鮮明化した。実際、直近のメジャー4大会は欧米勢(ミッシェル・ウィ/全米女子、レクシー・トンプソン/クラフトナビスコ、スーザン・ペターセン/エビアン、ステーシー・ルイス/全英リコー)が制しており、それまで台頭していた韓国、台湾などのアジア勢の勢いを上回っている。

という流れを見ると、やはり今週もウィ、ルイス、トンプソンら米国勢が本命と言えそうだ。今年3月、シンガポールで4年ぶりの勝利を挙げ、12月に結婚を控えるポーラ・クリーマーは、リコー契約のホステスプロとして気合いを見せている。心配されるのは2週間前の「ウォルマート NW アーカンソー選手権 by P&G」で棄権を余儀なくされた親指の怪我の具合だが、「多分、問題にはならないと思う」とコメントしている。

やはり経験と精神力はピカイチの宮里藍。高い集中力で難コースを攻略したい (撮影:Shizuka Minami)(「Pentax K-3」にて撮影)

日本勢では、抜群の経験と精神力を誇る宮里藍が11度目の全英でも存在感を示している。最近の懸案となっているパッティングは復調気配を見せているものの、風によってスイングリズムが狂わされる可能性のあることを懸念点に挙げておきたい。

ロイヤルバークデールは、430ヤードの1番パー4は左からのアゲンストとなり、パーオンすることすら難しい。また、15番からの上がり4ホールに3つ固まっているパー5は、飛距離のある選手はアイアンで2オンすることも出来るだろう。この点から、森田理香子渡邉彩香野村敏京らのロングヒッターには、爆発的スコアを出す可能性が秘められている。逆に飛距離では劣るが、精度の高いショットを武器に、ほぼ全ホールをドライバーでティショットする上原彩子は、高いフェアウェイキープ率を記録するだろう。だが、2打目で硬いグリーンにどこまで止められるかが、勝負の分かれ目となりそうだ。(英国サウスポート/今岡涼太)

2014年 全英リコー女子オープン